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2015年11月08日13:06

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B&W

京都人さんから、B&Wのマトリックス802を落札してみたらとお勧めがあった。
一方で、803D3など、新しいシリーズが出て話題でもある。

私は、ここ半年ほどで、マトリックス801と、ノーチラスシリーズになって以降の802とを、比較的近い条件で聴いている。
この感想は、ちょっと衝撃的なものだった。

あきらかにマトリックスシリーズのほうが、安全な音である。
安全というのは、ジャンル対応が広い。
60年代から80年代のクラシックは、演奏家が黄金期で、レコード会社も気合満々、キラ星のような名盤が一生聴ききれない数揃っている。
ただ、この時代のもののCD化はダメなことが多いので、LPならもっとよいだろうが、とにかく、この時代の録音をリアルに聴きたいと思ったときに、もっとも自然な感じなのがこのスピーカーだ。

最新録音でも、別に不自然ではない。ポップ系の新しいものはややダサくなるが。逆にいえば、ビートルズがダサい分厚いジャケットを着ている感じがこんなに出るなんて、奇跡的だ。
タバコなどのスモーキーな感じまで漂うではないか。

音色的には、同様に自然なものは他にもあるだろうが、オーケストラのスケールなども含め、ほんとに無理がない。
802にサイズダウンするとどうなるかわからないが、10畳ぐらいならもっといい面もあるだろうし、ヴィジュアル用途にも向きそうだ。

問題点は、自然で誇張がなさすぎて、オーディオ的な関心を失う。
音楽ファンになってしまいそうだ。
ドライブ機器に凝りまくるのもおもしろそうだが、安めのものでもよいものならけっこう鳴ってしまうのだった。

一方のノーチラス系は、ビートルズがそれなりにブリティッシュの新しい音になったのは驚いた。さすがアビーロードスタジオに置かれているのがわかる。
また、1990年代以降の優秀録音を聴くと、マイク位置にワープした、もしくはレコーディングエンジニアの机にワープしたかのように超絶的な分解度、楽器はツヤツヤ、ダイナミックで整っていて驚く。
最新のポップ系も凄い。
が、これはもう、最新超高級ホテルのロビーみたいな感じで、ブラームスの響きにまったりと包まれる、みたいなことは不可能になってしまった。

よく長岡スピーカーはソフトを選びまくるから危険みたいにいわれるが(というか、本人がそう書いて信者のハートに火をつけた)、長岡原理主義ですべてを固めていくと、長岡ソフトのLPのみが突出するのはわかるが、そうでなければ、まあいけるところもある。
むしろノーチラス最新のほうが「ソフトを選んで危険かも」と感じた。
世界の多くのソフトがこの系列でモニターして作られているので、新しいものはよいと思うが、これで60年代クラシックのリマスターがされるかと思うとゾッとする。
少なくとも同じ音にはならない。

イギリスに行って、アビーロードスタジオの前にも行ったのだが、感想としては、やっぱり時代は変わってるのかなと。
どういうことかというと、家具とかインテリアとか、オールドタンノイみたいな雰囲気がそこかしこに見られるのだが、最新のファッションなども入ってきている。
デパートのHarrodsなんかは凄いおしゃれで圧倒された。

となると、サウンドも新しくなっていくのはある程度やむをえない。
ノーチラスの方向性はいきすぎとか、思うところはあっても、修整されていくだろう。
そもそも、ポップス系のモニターのほうが、割合がかなり多くなっているのではないか?

もうひとつ、今回6日連続コンサート・ミュージカルに通った中で、いちばんのアタリは、一番安価だった、オラモ指揮BBC交響楽団のシベリウス。
横だが3列目ぐらいで、音は克明にわかった。
これがブリティッシュサウンドか、とよくわかった。
シベリウス初期のマイナーな曲だが、フィンランドも通過はしたこともあって、シベリウス自体も初めて理解できた。
この音は、マトリックスの音色と、ノーチラスのダイナミックさや分解能をあわせもっているが、スケールがさらにでかい。

さて、マトリックス802だが、こいつか801を、ユニットすべて最新に取り替えて、あとはドライブ系を凝って暮らしていけば、オーディオはいわゆる「アガリ」でいい気がする。
もう人生の限界がみえてきたからだ。
ただ、しょうもない話だが、色はブラックがよい。最新のポップ系のときにオールドブリティッシュな感じが邪魔なのである。
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