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2015年08月25日14:07

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ブリティッシュサウンド

たまたま同時期に、B&Wの、801マトリックスと、最近のシリーズとを聴く機会があった。
どちらも、ビートルズや1960〜80年代クラシックをかけてみた。

この体験はなかなかに衝撃的なものであった。

私はひねくれ者なので、「ブリティッシュサウンド」とかいうものいいが嫌いなほうで、しょせん箱にユニットがついてるだけのことやろう、と思っていた。そういう思考をする人は自作系にいきやすい。

ビートルズの「ABBY ROAD」2009年リマスターCDをかけてみると、さすがそのスタジオで新旧モニタースピーカーをしているだけあり、どちらもすばらしい再現なのだが、なにせ「ブリティッシュ」なのである。
なにがどう、というのはいいにくいのだが、少しくすんだ味のある薫り、節度のある鳴り方、知性を感じる。
ずいぶんゆったりとした鳴り方に聞こえる。マイケルジャクソンとか、アメリカのハードなビートが出てくる前は、やっぱり牧歌的なリズムだったんだなという感じがするし、後期の皮肉な歌詞がよく聞き取れる感じがする。

古いアルバムやLPになると、マトリックスの独壇場で、薄暗い木質系のホールで、ダサい厚ぼったいウールのジャケを着た人がうろついていて、煙草やなにやの猥雑な雰囲気も感じる。

最近のB&Wにブリティッシュとか言うのを感じたことはなかったのだが、ビートルズではハッキリと出ている。当時の雰囲気の再現ではないのだが、新しい解釈というか、これはありである。

クラシックにブリティッシュサウンドが全部合うかは議論がありそうだが、ヨーロッパという広いくくりでごまかすなら、やはり日本製よりは合うようだ。
再生機器でキャラクターがつくのはよいことではないのだが、BBCモニター調というのだろうか、そこまで主張してこないし、耳に快いアナログ的なボケ方がうまいし、実際のコンサート会場の雰囲気に近い。ぜんぶぜんぶクッキリ出すのがいいわけではないのだ。

そういう意味では、B&Wの最近のスピーカーは、クッキリ系に移行はしているようだ。
1960年録音のムラヴィンスキーのチャイコ、これはOIBPリマスターでチリチリした音になってしまったが、まさにそういう方向にいってしまう。
超高級ホテルの鏡面仕上げ大理石ロビーで、フロントの美女スタッフに挨拶されたような気後れを感じる。クールなジャズ・ナイトが始まらないといけない。
オレは厚ぼったいダサいジャケを着て、ゆっくりブラームスに浸りたいだけなんや、と内心の声がするのである。

ワタシ的には、B&Wの最新、ということは、宇宙人的なルックスの現代ハイエンドスピーカーでは、手持ちの1940〜80年代クラシックで、聴けないものが出てきそうだ。
であれば、古典ブリティッシュサウンドがよい。

今後の人生、最新ハイエンドスピーカーに投資する出費はおさえられそうだが、夢が失われた気もする。
オールドスピーカーは、劣化と故障のリスクとの戦いとなる。

ところで、旅行にも行くのでポンドのレートを調べていたら、恐るべき乱高下で、2007から9年ぐらいは1ポンド242円あたりまでいっているが、2011から12年ぐらいは134円あたり。
いまは190円ぐらいだから中間ぐらいだが、せめて1から2年前に行けてたらなあというぐらい旅行には不利になっている。

2011年か12年発売のイギリススピーカーはお買い得の可能性が高い。
QUADの11LSinatureのハイCPぶりが一時話題になったが、さもありなんという感じだ。

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