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2015年05月04日01:10

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自作スピーカーの終わり

連休なので、気になっていたスピーカー測定で、最終調整を行う。

共鳴管の開口を塞いだ測定では、思ったより多くの音が共鳴管から出ているようで、特性の暴れを取りたければ、ここを吸音するのがいちばん。
で、吸音材は一時ゼロになっていたのだが、ユニット裏からのカーボンウールと、オーガンジー包みの綿が、共鳴管の出口に浮くように陣取った。

この位置のは、かつて減らすたびに音がイキイキしていたが、ユニット裏よりは影響がソフトなようで、今回、音が死ぬという感じはなく、アナウンサーの声が響かず自然になってくれる。
ミュージカルで歌手が声を張り上げるときの伸びがちょっと抑えられるかもしれないが、綺麗になるとも言える。
このあたりは、好みの範囲で、一般的に言えば普通に改善した。
ユニット裏は狭いので、スッキリして開放感が出た感じもする。

測定値的には好ましい方向に向かった。
160ヘルツに山ができる傾向は押さえ込めたし、80や100ヘルツがやや盛り上がる傾向も、サブウーファーのカットを80に下げたりで、山と言えない程度に。

60ヘルツ、125ヘルツに部屋の影響と思われる谷はあるが、隣はむしろ山になるような帯域であり、2つにまたがるような大きな凸凹がない。
5キロヘルツ中心の緩い谷は、メーカー製によくある穏やかな音作りなので問題ない。

大事な800ヘルツや1キロヘルツがやや谷なのが残念だが、ほとんど文句なくフラットで、数値上は30ヘルツも16キロヘルツも全体のピークぐらいによく出ている。
むしろ、超低域がしょぼい部屋を揺らすのが心配なので、ムービーモードにして大音量時のローカットを入れた。

最後は吸音材に助けられた。

思えば、もう15年も自作系のスピーカーを使っている。
FOSTEXは今日から値上がり、もうこんな面倒なことをすることもないような気がする。
市販スピーカーを買って、気に入らなかったり飽きたりしたらヤフオクで転売しても、大した差額ではない。そうやってヘッドフォンはお気に入りをみつけたではないか。

長岡先生が亡くなって年月が経ち、フィンランドバーチ材や塗装やコンデンサーにワクワクした日々も去り、私の中で自作スピーカーというものの魅力はほぼ死んだのだが、皮肉にもシステムは完成に至った。

あとは、スワンのキャビに合うユニットが出たら実験として鳴らしてみたいのと(その後リアスピーカーにする)、もし巨大な部屋を所有する機会でもあったら、20センチフルレンジは使ってみたい気もするが。

できあがったシステムは、無意識に部屋の弱さから逃れるために動いてきた結果、13センチフルレンジを高い位置で使用、振動は天井に逃がして分散、サブウーファーは30センチ以上持ち上げウェルフロートで空中にある感じ。
テレビ音声での使用が時間的には8割だが、小口径フルレンジなので向いている。ブルーレイ用途も最近は非常に多いが、サラウンド含め向いている。

自作系だが、特性的には今回の調整で、おそらくメーカー製よりフラット。
決して叫ばないユニットだが、最大限に長岡スピーカーらしく伸び伸びさせていて、個性もある。
HDDからOPPOを介してD70VUのデジタル系も先進的だ。

苦節15年、これぐらいの音は出てもいいじゃないか、と自分を励ましたくなる。
しかし決してひとりでできた音ではなく、むしろ自分ひとりではまったくできなかった音といえる。
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