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2019年05月19日18:14

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6×3=

今日はお友達も多い酔狂さんの演奏会です。

◯水響第59回定期演奏会
開演:2019年5月19日(日)13:30
会場:すみだトリフォニーホール
曲目:
シベリウス/交響曲第6番ニ短調作品104
吉松隆/交響曲第6番「鳥と天使たち」作品113
チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」ロ短調作品74
管弦楽:水星交響楽団
指揮:新田ユリ

ヴァイオリンの伊東さんのご招待。
すべて6番の交響曲。

シベリウス/交響曲第6番
初めのうち弦楽器の音が分離せずにもごもご言っててハープと木管にかなり助けられた感じがしましたが、第3楽章に入って漸く回転し始めてフィンランドの地熱発電みたいな地底の熱を拾い上げるような感じとなってそのままじゅ。の好きな終楽章になだれ込みました。
思えば源流からだんだん縒り合わさって大河に流れ込んだようにも感じる。

吉松隆/交響曲第6番
初め武満のような響きを感じたのは繊細な打楽器と美しい弦楽器のなせる技なのであろう。その後すぐに同氏による大河ドラマ「平清盛」のようになる。作曲年代も近い。平清盛の中心主題である「遊びをせんとや生れけむ」の感覚で第1楽章は終始する。一方第2楽章はより雅びになって令和的というか王朝風、第1楽章が後白河天皇なら第2楽章は崇徳天皇の印象。令和決定前としてはなかなかの選曲眼。(もっともこの楽章に響く次プロ悲愴の引用(うっとりしてたので悲愴の引用しか気がつかなかった)が選曲の主眼でもあったろう)第3楽章は一気呵成の音楽だが底流には平清盛的な音楽が聴こえてくる。ドラマを意識しないで書いてもドラマ風であり、しかし現実のドラマとは乖離して絵巻風であり、二次元的なのが面白い。
演奏は前述のように繊細で絵巻風であり、高精度の打楽器と弦楽器に自由度を付与された管楽器が飛翔する。

チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」
今となってはこんな難しい曲を去年演奏したのが信じられない感じ
本日の演奏は比較的テンポは変えず(増速せず減速あり終楽章除く)個々の奏者の感性に委ねている感じはあった。第1楽章末部のクラリネットのソロは増速なし定速。今日の白眉は第2楽章であって、チャイコフスキーの北方的仄暗さと束の間の暖風が交錯、末部のクラリネットのソロも第1楽章より良かった。第3楽章は非常に戦闘的だが拍手なかったのは流石の聴衆。第4楽章は中間部の今回ほとんど唯一の機会の増速時に沸騰する心を感じてチャイコフスキーが戦闘力のあるうちに諦観から白旗を揚げるようなことは決してないことを示して余りあった。

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