再々再々挑戦

越境自粛もそろそろ解禁とばかり、久しぶりに某ナガクチキのリベンジ採集に北陸H岳まで出かけた。どうってことないと4年前に出かけて以来3度の挑戦を退けられ、一昨年と昨年は出かける機会に恵まれず、今年こそ決着をつけてくれようと勇んで出かけた。季節はばっちり、現場の情報も手に入れ、ダメ押しに羊さんも応援に加わり、もうこれは採れない方がおかしい。
前日薄暮の迫る現場付近の峠に到着。強めの南西風が吹き付ける中、ヘッドランプにビーティングネットを持ってブナ林に突入。ここもニホンジカの食害がひどく下草はみじんもない。乾燥する尾根を風裏に回り込んで落ち枝の叩きと立ち枯れ倒木のルッキング採集。やがて漆黒の闇が支配する中でいくらかの甲虫を拾うことができたが、これといった虫と出会うことはかなわなかった。

翌朝、風の鳴る音に目を覚ます。空は暗い雲に覆われ、いつ振り出してもおかしくないほどの荒れ模様。朝食を食べているうちにパラパラと雨粒が混じり出す。天気予報を見ると晴＆曇天がいつの間に雨マーク。少しでも早めに現場入りしようと出発するが、急ぐあまりルートを間違える。気が付いたのはおよそ1時間後のこと。慌てて戻ったが、すでに一日分のエネルギーの半分は消耗した。雨交じりの冷たい風に打たれながら息を切らして登山道をはい進む。しかしとてもじゃないが目当ての虫が活動するような気温じゃない。落ち枝を叩き樹皮をはがし、無駄と知りつつ抗ってはみたものの、お昼には濡れネズミでとうとうギブアップ。4度目の挑戦も雨には勝てませんでした。