逆刺のコンパスに導かれ山脈の次元アラカスの頁をめくったウルスとミリキン。
山喰らいのハイドラと交戦。
ハイドラは2人に8本ある頭を1本ずつ落とされているうちから、次々と頭の再生を繰り返した。
次第に消耗しいく2人のとった行動は…
有翼人ウルス「それ逃げろ!」
魔技師ミリキン「えっ、なんだって!?」
全力で逃げることだった。
2人はハイドラの好む岩石地帯を避け、森林まで退いた。
ウルス「ここまでくれば、大丈夫か?」
ウルスは息を切らせたミリキンを見て言った。
ウルス「逃げている時は、エルフ走りをしているお前さんの嫁より速いんじゃないか?」
ミリキン「そ…そりゃ… どうも… あんたみたいに… 翼がないんでね。 逃げるには… 全力で足を使うしか手段がないんだ。」
ウルス「おっと悪かった、少し休むか?」
ミリキン「そうしてもらえると …たすかる。」
暫く木陰で休息をとりながら、
ウルス「 …にしても、このコンパス… ハイドラの巣の方を指してたな。」
ミリキン「あぁ、この使いの難易度が把握できた。」
ウルス「そして、俺たちだけでは火力不足だってこともな。」
ミリキン「ちょっとまて、俺たちだけでいけるって…」
ウルス「いや、一旦戻ろう。」
ミリキン「戻るだって!?冗談! …俺、今あの次元に戻るのはちょっと」
ウルス「あの次元はジェミナイ様が開いた頁だ。そして、その頁を拡げているのはお前の嫁だろ?文句をいうな」
ミリキン「うっ… まぁ、な。」
ウルス「どうした?久しぶりに愛しの人に会えるんで嬉しいんじゃないのか?」
ウルスはミリキンを皮肉りながら煽った。
ミリキン「茶化すなって、知ってるだろ!あいつの気性はどのエルフより激しいって!逃げて帰ったとわかれば…」
ウルス「フェレスはいい女じゃないか?そんなに恐いんなら俺から…」
ミリキン「わかったわかった!戻って俺がちゃんと言う!お前の力を貸してくれって!」
ウルス「そうこなくっちゃ♪」
不機嫌そうなミリキンを横目にウルスはスッと立ち上がり…
ウルス「跳べるか?」
ミリキン「あぁ、残念なことにあと一回くらいなら。」
ウルス「充分! …我は開く異界の頁!」
ミリキン「あぁ… やっぱり、戻るのか… 彼方へ導け金色の隼!」
次元フォールンへつづく
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