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2019年10月21日12:16

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BEM

「はやく 人間になりたい」

妖怪人間バトルアニメ、全12話見終わった感想とレビューを、描いたベムとベロと共にまとめる。


■『概要』■━━━━━━━━━

妖怪人間ベム50周年を記念して作られた新作アニメ。

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舞台は湾港都市「リブラシティ」。
政治・経済・文化の中心であり、街の“富”が結集した「アッパーサイド」と、汚職や犯罪に溢れ、人々がお互いを疑い合わざるを得ない「アウトサイド」、その両エリアを分かつ巨大な運河と、一本の「橋」。
これらにより構成される、まさに人間の“差別意識”が顕在化した様な街である。
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そんな「アッパー」から「アウトサイド」に赴任してきた、若き女性刑事・ソニアは、数々の事件を追う中で、人間を守るために戦う醜い姿の3人と出会う。
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妖怪人間3人は、それぞれの思いを抱えながら、正体を隠し生きていた。
人間に仇為す悪を倒すことで、人間になろうとする「ベム」。
人間に憧れ、人間と同じ学校に通い、人間を理解することで、人間になることを目指す「ベラ」。
人間や世間に達観し、冷めた様子でゲームの世界に没頭する「ベロ」。
彼らはいくつもの事件や、人間たちとの触れ合いの中で、傷つき、悩む。
人間のために戦っても、その醜い姿から決して人間に受け入れられることはない…。

そんな3人を探す1人の存在がいる。
リブラシティを裏で牛耳る「見えざる議会」を操り、ベムたちを確保しようとする彼女の目的は果たして?




■『レビュー』■━━━━━━━

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■ランク【B】【そこそこ】

■評価:☆☆☆★★(3/5)

■各話感想[☆3 ◎8 ○1 △]

■推しポイント「大幅にリメイクされたキャラクター」

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本題はそのままながら、独自の舞台に村田蓮爾氏によりリメイクされたキャラクターデザイン、スタイリッシュなOPなどで全体的に今の時代に合わせだいぶ変えている。
ここが良い判断だったと最も評価出来る点。

内容は暗めの雰囲気。
妖怪人間と共に関わる人間達を描く事で、多くの人間が見た目など一部の違いだけで判断し差別や攻撃してしまう人間の悪質な習性を浮き彫りにし、舞台設定により人間社会の構造も合わせて問題提起している。
人間の本質と精神的未熟さを考えさせられ、ここも作品として評価点。

有名タイトルではあるが、全体的に普通くらいの品質で特別力を入れていたり金がかかってる感じは無い。

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安定はしててそこそこ楽しめるが特筆すべき点が弱い、暗めでエンタメ性が低めな所が欠点。
また、一区切りつけてはいるが作中の問題がしっかり解決しておらず、途中で終わった感あるのも欠点に近い。
まだまだこれからだENDと思えば有りな感じとも言えるが。


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「妖怪人間」というテーマ自体は当時だと画期的で良かったが、現代ではそれほど強みは無いとも感じた。
似たテーマでスタイリッシュ系に仕上げ、共存テーマと問題を強く打ち出し、普通の少年にそれを背負わせ苦悩と葛藤と共に描く事で問題提起した「東京喰種」があるため、これの強みやうりが薄く感じるのも原因の一つ。
二次元文化が発展している現代において、相応に進化、強みを新たに加えた作品である必要があったと思う。

もうちょい強みや良さがあればAランクいける、そこそこくらいの惜しい作品だと思う。
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■【関連LINK】■━━━━━━━

■7話まで感想:https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1972920384&owner_id=5239087


■『感想(ネタバレ有り)』■━━━━━━
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最初、紹介の一枚絵だけ見てキャラデもまったく違うしタイトルもビーイーエムって読んでて妖怪人間だと思わなかったw

キャラデと考えさせられる内容面で見続けられたって感じかな。


スタイリッシュなアレンジにしようとしてるし、アクションとか全体の雰囲気作りをもっとそっち系に尖らすべきだったと思う。

1話の敵が昔みたいな古臭さでギャグみたいで浮いてるし、2話も暗殺者がギャグキャラみたいだし中途半端感。
真犯人の陰湿な下衆さを誤魔化そうとした?

この作品に限った事では無いが、アニメの簡略化した絵だとモンスターの迫力が薄くなっちゃって向いてないからCGにすべきだったんでは。
金かかるけどそこはネームバリューでどうにかすべき。
無理なら作品タイトルに力無いって事だからオリジナルのスタイリッシュ系でやるべきだと思うし。
このままでも最終話ぐらい動いてくれれば俺的にはいいけども。


■『話の内容について』

かなりツッコミ所感じたし、問題点や改善すべき所が多く感じる。


◆『良かった点は、人間の悪意やエゴをしっかり正面から描いた点、対して少なく弱いが良い人間達も描きリアリティがある』

差別や人間の悪性が良く感じられた。

ベガ「これが人間。不寛容で攻撃的」

この点は日本人が特に強いと聞く。

女刑事「彼らに対峙するとき、自分がいかに卑しい人間かを思い知らされます。
 誰もが自分本位で平気で嘘をつき、見て見ないふりをして全ては自分を守るため」

キャラクターにも明確に言わせ、これら人間の悪辣な本質を描きしっかり指摘したのは良かった。
種族差別を描きながら人間本位な偽善臭いエゴ丸出しのラディアンとかとは違う。
暗いストレス展開だけどこれがあるだけでだいぶ違う。


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ベラがハラジーに教えた「他の人の前で力を使わない、びっくりしちゃうから。そうすれば意地悪されないよ」
って言葉に、多くの人間の本質が伺える。

正解でいい事言ってるようにも聞こえるが、これはベガの言う「人間は不寛容で攻撃的」というのが正論だと言ってる事に他ならない。
人間の悪性は変えられない、人間はそれが例え優れていて悪意を持たない存在であっても、自分らと違う存在なら受け入れず恐れ自己保身のために攻撃するっていう事を言ってるのと同義。
人間の未熟な精神的悪性を刺激しないよう隠すしかないって妥協案を、最終話で子供に提案してるっていうのが、人間の習性のしょうもなさを感じさせた。


対して、妖怪人間達の本質、善意をしっかり見て判断し共存しようとする、前述の人間の悪質な習性を指摘し改善しようとする優れた人間も少数ながらいるのが良くリアル。
問題は、彼らを守れない、大人の場合は殺されてしまいほとんどの環境を変えられないのがカタルシスに欠け娯楽としてイマイチな所。
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◆『後半の人格者の冤罪男を守れなかった事』
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敵ニンジャ一人に対し妖怪人間3人揃ってるんだし、一人が抱えて逃せば良かったのにやらんし、防衛下手過ぎない?w
妖怪人間は不死身って言ってるのに何故か勝手に庇って死ぬ男の方もどうかと思うけども。
良い大人は絶対に死なすっていう展開の都合も感じる。



◆『最も致命的な欠点は、「人間になりたい」という利点の無さ=説得力の無さ』
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劇中でその理由を結構描写してたが説得力が足りず共感出来ない。

原因は、妖怪人間の能力が優秀過ぎるのと、人間の悪性と弱さをしっかり描いてしまったためだ。

作品としては曲げられない部分だからなんとか描写しようとしてるけど、対して前述の点があるため作中で反発し合う。
劇中でベロが「オイラ達こんなのになりたいの?」と言ってるのもそうだが、まるでシナリオ製作者が二人いるかのような。

妖怪人間のテーマ自体をほんとは否定したがってるようにすら感じた。
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ベムが言う人間になってしたい事が妖怪人間でもほぼ出来るし、その利点が無さ過ぎたし。

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同じく死ぬ事の意味と良さを言ってたのも利点が無さ過ぎて説得力に欠け過ぎる。
他にたくさん増えるようなら別だが、たった4人だけだしな。
感情が薄めに見えて楽しみが無いから、死ぬのに意味があっていいとか思うようになるんでは?
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俺からすりゃむしろ楽しみ尽くすには人間の体不便で時間短過ぎるし、今後の二次元文化や科学とかの発展していく様を見る楽しみまであるのに意味不明過ぎる。
老化するって事は感性も劣化するって事でもあるし。
ゲームやってるベロは逆にそこそこ楽しんでるから人間になりたいと思わなくなったんでは。
普通の人間の一生じゃ難しい事もいろいろ出来て自由度半端無いだろうし、不老不死の利点を舐め過ぎだろと。
よく考えろと。
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最も人間化を望むベラが思う欠点は本当の見た目だろうけど、ずっと劣化しない好きな人間形態を取り続けられるためむしろ妖怪人間の方が美しいまである。
最早どっちの形態が本物かは本人の気分でしか無いだろ。
戦うような、人間じゃ無理な状況でも無ければ妖怪形態にならないし。
逆に妖怪になってる時点で人間じゃ無理、不都合が出てるって証拠でもある訳だ。
この危険な街で脆弱な人間になるとか自殺志願者に近い。


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食事も僅かな水だけでいいってのがかなり利点デカ過ぎてヤバい。
食事する手間からも解放される。
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不便な体を維持するために金の奴隷にならないといけないという、人間の人生において最も無駄で悪質な足かせシステムから解放される事の圧倒的利点半端無い。
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唯一人間に劣ってる部分が味覚のみ。
隣の芝生は青く見える的なもので分からんでもないけども。
これも機械の発達で伝えられるようになったら終了だし、俺とかはそこまで味にこだわらないから逆に味覚を犠牲にして妖怪人間の能力得られるなら利点が絶大過ぎて話にならない。
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◆『妖怪人間だからこそ出来る目指すべき答え』

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人間の悪性が分かり、それが強い人間は他を蹴落とし狡猾で権力を持ちやすいというのが分かる舞台設定と描写。
良い人間がたまにいても力を持つ事が出来ないから変わらずマイナスに進み続け、一部の下衆などだけが旨味を得る社会構造。
この悪意と環境から弱者を救えるのは優れた存在である妖怪人間しかいないように思う。

故に妖怪人間達は大幅劣化する人間になる意味不明な願望優先じゃなく、良い人間達を救う術を磨く事がすべき事だと思う。
元から人を救い続けてきてるからピッタリだし。
世界を変えられる可能性がある存在なのにこいつら自覚無く目標や考える事が小さいのが問題で、長く生きてるのにここに辿り着かないのかなと。
対局として街を作り上げたベガがいるけども。
人間側も恐れて排除する事ばかりで妖怪人間達の絶大な利点に気づいて無いのもアホに感じるが、これまで助け続けてるのを何故か知られてないって都合のせいでもあるか。

能力の割に、原作のテーマが「はやく人間になりたい」っていう小さい願望故に、それに縛られちゃったせいでおかしな結論、内容も中途半端になったんでは?と。
これも作ろうとしたものと作品テーマが一致してない、原作が足を引っ張った点だと思う。


◆『良かった点はキャラデ以外にキャラ付けも含めたキャラクター』
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キャラデアレンジはほんと英断だったと思う。
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特にベラがまったく別人になってて、鬼太郎のネコ娘みたいな現代テコ入れアレンジしたのは思い切った優れた発想。
まぁネコ娘っていう先駆者がいるおかげでもあるが。
ここが一番評価点だな。
好意を寄せてる陰キャもいる事でよりベラが引き立つように、オタ向けテコ入れが強化されてる点も上手い。

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元のベラに似たキャラはラスボスになってるのも面白く、原作レ○プした訳じゃなかった。

6話で登場したようじょハラジーが可愛くて良かった。
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危ない環境でどうなるか心配だったがちゃんと保護されて安心したしとても良かった。
ここも俺的に高評価。
逆にハラジーを助けようとした実験体にされた元軍人の人格者のオッサンが犠牲になったのは結構なストレスではあった。

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ベロと一緒にいる貧民キッズ達も良い和み癒やし要員だった。
こいつらを守れた所も数少ない救いだし、妖怪人間じゃなかったら守れなかった命だ。
故に人間になる必要性、利点をほとんど感じない。

こうやって総括してみると、やはり妖怪人間って設定とテーマが足引っ張ってるように感じて勿体ないなと思った。
良かった点のほとんどが原作と関係無いとこだし。

言いたい事や疑問点は結構あるが、そこそこ楽しめたしキャラが良かったのとハラジー救済したから良しとしておこう。
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