mixiユーザー(id:52355057)

2020年08月02日08:14

75 view

アサガオの使者 1

朝、起きると空が青かった。
しかし、今日は寝不足である。
眠れない日に限って、朝早く起きるのであった。
ダルイ体に水分を補給してスマホに目を通す。
曜日を確認して朝の支度を始める。
今日は体育があるな……。
わたしは少し憂鬱になる。
おっと、アサガオに水をあげないと。
庭に向かうと、薄ピンク色のアサガオが咲いていた。
適当に水を与えて部屋に戻る。
今年の夏は何を勘違いしたのか、アサガオを育てている。
それは純粋な気まぐれであった。
そうそう、日常の続きである。
鞄の中に真っ白い体育館シューズを入れる。
わたしは事情により体育の授業に出た事はない。
その事情とは左足首から先が無いのである。
幼い時に事故に合い左足首を切断した。
普段は義足で生活しているが激しい運動は出来ないのである。
メガネをかけるように義足を付けて部屋を出る。
「健治、ご飯だよ」
母親の言葉に椅子に座り朝食を食べる。
イカン、まったりし過ぎた。
わたしは急いで家を出る。
向かう先は『清水館高校』である。
この町はド田舎なので畑の中に校舎が建っている。
そう言えばこの田舎町に先週から転校生が来ていたな。
いつの間にか、このクラスに入ったので存在感ゼロであった。
教室内でも席が遠く、このまま話す事も無く終わりそうだ。
しかし、それは昨日までの事であった。

6 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する