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2020年07月04日07:59

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雪の聖女 15

氷の神殿の中を更に進むと祭壇がある。
「遅かったな……」
姫様は祭壇に乗せられていた。
身長の高い男性が氷の天界の姫様の隣にいる。
「姫様、氷の天界に帰りましょう」
マヤが声を放つ。
「無駄だ、この姫様は完全に我が手中にある」
姫様が起き上がり手をかざすと炎が現れる。
「どうだ、皮肉だろう、氷の天界の姫様を炎使いにしてやった」
「お前は何者だ、何故、氷の天界を狙う」
リアが男性に問いかけるのであった。
「わたしは『ルート』悪意の化身、この姫様が望んだ者だ」
どうやら、ルートは姫様の心が生み出した影の様な存在らしい。
そして、姫様と『雪の聖女』との戦闘が始まる。
姫様と『雪の聖女』の力は同等、鍵になったのは義元の存在であった。
義元の弓矢により姫様は倒れてルートは消えていく。
「姫様の憎しみの炎は消えない。我は何度でも復活する……」
俺達は結局、姫様を深い眠りにつかせて氷の神殿を出る。
帰り道は皆に言葉は無かった。
冬目神社に戻ると親父の手料理が待っていた。
姫様は起きることなく眠り続けていた。
食べ終わると、俺はこれでお別れなのか聞いてみた。
「はい、わたし達の使命は姫様の救出です。形はどうであれ姫様が戻りました」
リアは寂しそうに言う。
「大丈夫です、御神木があるかぎり、行き来は自由です」
サナが御神木を見ながら話す。
「わたしはヤダなこの世界では猫だもの」
マヤは相変わらずわがままだ。
『雪の聖女』と姫様は御神木の前に行き別れを告げる。
「また、会えるね」
「えぇ、この世界に義元がいるかぎりです」
消えていく皆に俺は強くなる事を心に誓うのであった。

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