氷の神殿の中を更に進むと祭壇がある。
「遅かったな……」
姫様は祭壇に乗せられていた。
身長の高い男性が氷の天界の姫様の隣にいる。
「姫様、氷の天界に帰りましょう」
マヤが声を放つ。
「無駄だ、この姫様は完全に我が手中にある」
姫様が起き上がり手をかざすと炎が現れる。
「どうだ、皮肉だろう、氷の天界の姫様を炎使いにしてやった」
「お前は何者だ、何故、氷の天界を狙う」
リアが男性に問いかけるのであった。
「わたしは『ルート』悪意の化身、この姫様が望んだ者だ」
どうやら、ルートは姫様の心が生み出した影の様な存在らしい。
そして、姫様と『雪の聖女』との戦闘が始まる。
姫様と『雪の聖女』の力は同等、鍵になったのは義元の存在であった。
義元の弓矢により姫様は倒れてルートは消えていく。
「姫様の憎しみの炎は消えない。我は何度でも復活する……」
俺達は結局、姫様を深い眠りにつかせて氷の神殿を出る。
帰り道は皆に言葉は無かった。
冬目神社に戻ると親父の手料理が待っていた。
姫様は起きることなく眠り続けていた。
食べ終わると、俺はこれでお別れなのか聞いてみた。
「はい、わたし達の使命は姫様の救出です。形はどうであれ姫様が戻りました」
リアは寂しそうに言う。
「大丈夫です、御神木があるかぎり、行き来は自由です」
サナが御神木を見ながら話す。
「わたしはヤダなこの世界では猫だもの」
マヤは相変わらずわがままだ。
『雪の聖女』と姫様は御神木の前に行き別れを告げる。
「また、会えるね」
「えぇ、この世界に義元がいるかぎりです」
消えていく皆に俺は強くなる事を心に誓うのであった。
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