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2020年06月02日15:25

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『熊之豪はじめ』は何処まで私情なの?7

わたしは応用サイエンス部でハッキングに勤しむ。
今日のターゲットは警察無線だ。デジタル化されて何年も経つが、わたしの腕前では簡単だ。
こうして、聞いていると実に些細な事で110番するのであるなと思う。
平和過ぎて退屈になったので部室の中を見回す。
橋場は謎のプログラミングしている。
当たり前か……仕事で女子高生しているのだ。
かぐらはWi-Fiを握り閉めてネットにアクセスして音楽を聴いている。
しかし、その光景はシュールである。
AIでなかったらWi-Fiをカイロ代わりにしているように見える。
「クマたん、集合写真が欲しいよ」
朝霧が携帯を片手に詰め寄ってくる。
公式のSNSを作るそうな。
朝霧は一般人なので応用サイエンス部の広報担当になったのだ。
四人での自撮りは無理があるので二組に分かれて撮ることにした。
顔だしOKを出したのは最後まで悩んだすえのことである。
普通の高校生の部活など見る人も居ないだろとの結論であった。
出来た画像を見るとわたしの髪の毛に寝ぐせが付いている。
「オタクに見た目を気にする意味などない!」
わたしは皆の前で演説する。
『おー』
皆は口を揃えて感心するのであった。
わたしはハッキングに戻り、ターゲットを探す。
うん?
現役女子高生モデルのSNSを見つける。
本人の携帯の音声認識機能を無断で立ちあげて、私生活に聞き耳を立てることにした。
……。
それはファンが聞いたら絶望する内容であった。
うん、世の中には知らない方がいい事もある。
わたしは現役女子高生モデルに幸せが訪れる事を願った。
「クマたん、さっき撮った画像を写真にプリントできたよ」
こう言うアナログな感じが朝霧の良いところである。
「よし、これからファミレスで食事だ」
わたしは少し部長らしい事を言うのであった。

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