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2019年11月18日13:15

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オークションで

 実は高校生の頃から「ネットオークション」というものをたまにやる。
 出品した経験はなく、落札する側でいつもほしいものをお値打ちの値段で手に入れることができる。

 これまでオークションで落札してきたものは多岐に亘る。人から頼まれて落札したものもあり、もちろん私がほしいものは誰かがほしいものということもあるので、大接戦になることもある。しかし、オークションというもの、当然高い金額を提示した人がその商品を落札する権利を得る。だから、どんなに競っても落札予定金額(送料込み)で予定額を1円でも超えたら私は必ず身を引くと決めている。それは、賭け事なんかもそうだと思う。それができない人が借金地獄にはまっていくのである。そして、オークションを楽しめないということでもあると思う。

 ネットオークションは相手のことが何もわからない。
 ただ、そこに書かれた情報の言葉づかい、写真の撮り方で大体の人物像を想像していく。昔の文通相手を探すみたいな気持ちである。しかし、実際商品が手元に届いて差出人の欄に書かれた文字だとか、名前・性別の予想が外れることも時々ある。それが楽しい時もある。
 また、商品の梱包の仕方にもやはりその人の人間性が出る。決して会ったことは一度もなくて、今後も会うことはなくて、話すこともこの先ずっとないだろう。しかし、この時だけはようやく知った目に見えない相手の人物像が勝手に出来上がってしまい、その人に思いを馳せるのである。どんな思いでこの商品を包み、手放したのだろうと。

 私は基本的にずっと、同じオークションサイトを利用しているのだが、商品をまた検索するようになったのは実に10年以上ぶりだった。その間に、個人情報保護法なんかで若干システムが変わっていたようだ。私が最後に使用した時はまだ全ての通知連絡程度のこともメッセージで逐一報告していた。入金も当時は相手の口座に振り込んでいたと思う。しかし今は、運営側が仲介を担ってくれているので、手元に商品が届くまで一切相手の個人情報が入ってくることがないこともある。評価システムも定型文が出来上がっていて、特にそれ以上に付け加えることがなければそのままで済むようになっていた。

 そんな中、やはり商品を物として売っている人と、何らかの思い入れがある物を譲っている人とではメッセージの内容が大きく変わることが顕著になったと思う。
 思い入れのある物を出品されている方は、商品到着連絡をしたら必ず返信を下さり、その物のよさを伝えてこられる。そういう時に、ものすごくその方の人柄を感じるものである。

 今日、ある落札した商品が届いた。
 5個でセットのある食器を落札したはずなのに何故か1つ多く入っていた。すぐに出品者に問い合わせたところ、「箱入り6個セットでしたのでお使いいただけたらと思い入れさせていただきました。」という返事だった。
 私は元々のセット内容のことなど知らない。だけど、それも伝えてくれた。恐らく、ご本人は一つは手元に残しておきたかったのかもしれない。しかし、どんな心変わりがあったのだろうか。それはわからない。
 結果的として、私にはそれは驚きであり、あたたかさを感じる出来事に変わった。どんなに速いネットショッピングよりも感動した。なぜならそこにはものすごく気持ちが込もっていたからである。

 詐欺被害に遭う方も中にはいるというのに、オークションにまさかのサプライズがあるんだ…とやはり人と人とのつながりはAIには敵わないなと思った。
 一期一会になることが大半の中、こんなこともたまには起こるようだ。
 それが、人ができる仕事の素晴らしさだとつくづく思った。

 
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