偶像とは本来は「神仏にかたどって作った像」のことであり英語ではidol(アイドル)であるが、日本ではタレント(テレビ・ラジオ等に出演し、人気のある人)の呼び変えとして使われてきた。しかし言葉は派生するものなので意味内容が拡大し、ネットアイドルや地下アイドルなどなどというわけわかめの言葉も使われるようになった。
本来の偶像(神仏云々)は木や石や金属など様々な材質で作られるが、偶像は元よりとして本体ではない。つまりは目で捉えられないことを具現化したものであって、言うならば端末と等しいものであり、人々は端末を通して本来の神仏に語りかけもしくは何らかの恩恵を得ようとしてきた。
ところが世の中には蒙昧な人が少なくないために、偶像を本体そのものとして捉えてしまう人達がいる。或いはまた悪意によって偶像崇拝と名指しをする例もあるが、キリスト教信者の中には「仏教は偶像崇拝してる」とか、カトリックは偶像崇拝だとのたまうプロテスタント信者がいたりして失笑したものだった。
といったことはともかくとして、日本で一般的に使用されているアイドルそのものは虚像と等しく実体を正確に反映したものではない。つまりはごくありふれた女や男を粉飾させたものであり、同時にフアンなる人達も各自の思いをアイドルに重ね合わせて独自の虚像を作りだしている。
この虚像たるアイドルを虚像と認識していれば何ら問題は発生しない。しかし現実と妄想の区別ができない狂人さながらに虚像と実体を混同してしまった場合には、何らかの理由によって虚像が壊れてしまうと(専有感の瓦解)実体に対して牙を向けることとなる。牙の最たるものは殺しであり、殺すことによって自身のものだけにしてしまうことができるためだ。最も行動する当人がこのことを意識できてるかどうかは別の話である。
仮面女子・桜雪に殺人予告 23歳男を警察引き渡し
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=4312332
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