長らく懸念していたことが、実にあっさりと行われてしまいました。
これまで決して許可されることのなかった報道関係者の皇室陵墓への立入り取材が、去る11月22日、突如解禁されました。仁徳天皇百舌鳥耳原中陵(大阪府堺市)第一堤で行われている宮内庁と堺市の共同調査の現場が報道公開され、40人もの取材陣が呼び込まれたのです。
宮内庁が管理する皇室陵墓の、通常立入り禁止である区域に、報道関係者の立入りが認められたのはこれが初めてです。
下の画像や動画をご覧いただけばわかるように、脚立や三脚や撮影機材を抱えた大勢の小汚い報道陣が、入るときに一礼するわけでもなく、ゾロゾロと鳥居前の拝所奥に踏み込んでいく様子は、まさに「聖域」が侵される瞬間を目の当たりにするかのような衝撃的なものです。
《動画》11/22仁徳天皇陵で共同発掘調査 報道に公開
http://www.news24.jp/articles/2018/11/22/07409908.html
《動画》5世紀の円筒埴輪か、仁徳天皇陵から発見
https://www.asahi.com/articles/ASLCQ5D7SLCQPTIL01C.html
《動画》仁徳天皇陵、堤に精巧な石敷き
https://www.youtube.com/watch?v=yeVC53hzisY
宮内庁は常日頃「陵墓の静安と尊厳を守る」などと高言していますが、宮内庁自身がその「静安と尊厳」を放棄し、薄汚い報道陣のもたらす「喧騒と冒涜」を聖域に招き入れてしまったのです。
しかも、仁徳天皇陵内奥深くに立入ったのは学界関係者や報道陣だけでなく、同月11日には堺市の竹山市長も調査現場を「視察」したとのことです。学術的な専門家でもなく、報道の職務を持ったわけでもない一介の地元首長までをもごく簡単に立入らせた以上、このままでは一般人の陵墓への立入り見物が解禁されてしまうのもそう遠いことではありません。
「宮内庁がそんなことを許可するはずがない」と思われるでしょうか?
報道陣への天皇陵公開だって先月までは「宮内庁が許可するはずがない」出来事だったのです。
仁徳天皇陵をはじめとする、いわゆる「百舌鳥・古市古墳群」のユネスコ世界遺産登録運動と連動した陵墓公開への圧力は、我々の想定以上に強いものでした。そこには、皇陵を単なる「古墳」へと貶めたい左派の思想的動機や、発掘に道を開きたい考古学業界の野心だけでなく、観光振興に陵墓を利用したい「保守」系を含む政界・財界の強欲、そして秘匿された聖域を覗き見したいという大衆の下卑た願望が、「開かれた陵墓」を旗印に合流しています。
また、宮内庁書陵部陵墓課で今回の共同調査や報道公開を主導した陵墓調査室は、考古学専攻者が採用される部署であるため、学生時代に考古学業界の悲願(陵墓発掘)を叩き込まれた者達が就職し、いわば宮内庁書陵部「獅子身中の虫」となっています。
今さら申すまでもなく皇陵は、万世一系の皇統を体現し金甌無欠の国体を明徴する、至尊不可侵の聖域であります。
皇陵奉護のため、宮内庁はじめ関係各方面への抗議のご意見ご送付にご協力賜りますよう御願い申し上げます。
○宮内庁書陵部陵墓課
100-8111 東京都千代田区千代田1-1
TEL:03-3213-1111
information@kunaicho.go.jp
○宮内庁書陵部古市陵墓監区事務所
583-0857 大阪府羽曳野市誉田6-11-3
TEL:072-955-1115 FAX:072-955-4403
○百舌鳥・古市古墳群世界文化遺産登録推進本部会議
559-8555 大阪市住之江区南港北1-14-16大阪府咲洲庁舎37階
TEL:06-6210-9742 FAX:06-6210-9316
info@mozu-furuichi.jp
○堺市文化観光局世界文化遺産推進室
590-0078 堺市堺区南瓦町3-1堺市役所高層館5階
TEL:072-228-7014 FAX:072-228-7251
https://www.city.sakai.lg.jp/cgi-bin/formmail/formmail.cgi?d=081100
○e−Gov
https://www.e-gov.go.jp/policy/servlet/Propose
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