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2022年06月28日02:21

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「鎌倉殿の13人」と勝手にコラボしたコラム その24

 "アサシン(暗殺者)"・"仕事人"善児について。架空のキャラクターですが、この名は演者の梶原善から取ったものと思われます。伊豆国伊東(現・静岡県伊東市)の豪族・伊東祐親(浅野和之)に仕えた下人。下人とは武家に仕えた者の最下級で、家事・農事・軍事をこなしましたが、平安から鎌倉時代ではどんなに手柄を立てても土地を与えられるようなことはなく、また人身売買の対象とされていました。

 彼がドラマで殺害してきた人物を列挙してみましょう。

千鶴丸(太田恵晴)
 源頼朝(大泉洋)と八重姫(新垣結衣)のあいだに生まれた赤子ですが、史実では八重の父である伊東祐親( 浅野和之)が保身のために殺したとされます。善児はこの子を川に沈めて殺害いたしました。

北条宗時(片岡愛之助)・工藤茂光(米本学仁)
 伊豆国の豪族北条時政(坂東彌十郎)の嫡男。史実では頼朝の挙兵に参加し、頼朝と別行動を取ることとなり、時政と義時は箱根湯坂を経て甲斐国へ向かいました。宗時は山を降り桑原に降り、伊豆国の平井郷(静岡県田方郡函南町平井)を経て、早河のあたりで平家方の伊東祐親軍に包囲され、小平井久重に射られて討たれたのです。ドラマでは北条屋敷に本尊の観音像を取りに戻った北条宗時が川の水を汲んで振り返ると茂光が突っ伏しています。駆け寄る宗時、その時、善児は宗時の後ろから喉元を切り殺害。

江間次郎(芹澤興人)
 伊豆の住人で八重の二人目の夫。、彼は伊東祐親から「頼朝に(八重を)渡すくらいなら…分かっているな」と八重を殺すように言われます。しかし殺すことができず八重を逃しますそこに善児が来て江間次郎を切ったのでした。史実では江間次郎は戦死したのでした。

伊東祐親・祐清(竹財輝之助)父子
 記述したように善児の雇い主でした。史実では頼朝が打倒平氏の兵を挙げると、大庭景親らと協力して石橋山の戦いにてこれを撃破。しかし頼朝が勢力を盛り返して坂東を制圧すると、逆に追われる身となり、富士川の戦いの後捕らえられ、娘婿の三浦義澄(佐藤B作)に預けられ、頼朝の妻・北条政子(小池栄子)が懐妊した機会を得て、義澄による助命嘆願が功を奏し、一時は一命を赦されましたが、祐親はこれを潔しとせず「以前の行いを恥じる」と言い、自害して果てたとされます。また祐清のほうは頼朝から嘗て己の命を助けて貰った恩義から配下になるよう薦められましたが、これを拒否し、処刑されたとも、平家方に身を投じて篠原の戦いで討ち死にしたとも記録されていますが定かではありません。いずれにせよ父子別々に死を迎えたのです。大河ドラマでは同じ場所で善児にあっさり殺されました。梶原景時(中村獅童)から「(今後は)わしに仕えよ」「へええ」と最凶のタッグを組むようになっていました。

上総広常(佐藤浩市)
 殺してはいませんがドラマでは立役者。上総広常(佐藤浩市)に謀反の責任を取らせて見せしめにせよと頼朝に命じられた梶原景時(中村獅童)双六の勝負がついたところで石を投げつけ、気をそらしたところで切りつける景時。応戦しようとした上総広常ですが脇差がない! 実は部屋に入る際にぶつかった善児に脇差をすられていたのです。

藤原頼衡(川並 淳一)
 北方の王者・藤原秀衡の六男。北条義時の謀略に気づいた泰衡の異母弟・藤原頼衡が現れ「兄上、なりませぬ。亡き父のお言葉、お忘れですか。九郎殿を総大将とし、鎌倉方から奥州を守れと。何をしに平泉へ来た。おまえの魂胆は何だ!」と義時に斬り掛かると、控えていた善児が瞬時に仕留めました。明治期に著された『平泉志』は秀衡の息子たちについて、国衡・泰衡・忠衡・隆衡・通衡(利衡)の5名を挙げ、注において頼衡の存在に触れつつもその実在性を「信ずるに足らず」と断じています。

義経(菅田将暉)と静御前(石橋 静河).の子
 、回想という形でしたが、静御前の産んだ男子を善児が抱いて連れ去り静御前の泣き叫ぶシーンが…。さすがに由比ガ浜に沈めるシーンはありませんでしたが、善児が静御前の子(義経の子)の殺害に絡んでいたことが暗示されました。

源範頼 (迫田孝也)
 兄の頼朝にその座を狙っていると疑われ、伊豆に流されましたが、史実ではその後の消息は不明とされています。大河では足元に従者二人が転がっているのに気づいたところを善児によって正面から刃物を突き立てられました。

 以上が現時点で善児が関わってきた事件です。このあとも誰かを殺すかどうかは三谷幸喜の胸の中にあります。たぶんこれで終わりではないかと。

 範頼殺害するところわ見て一瞬立ち尽くす少女=トウ(高橋愛莉)。なぜか、善児はその少女には手をかけようとはしません。画面をよく見ると少女は善児に向かって小刀のようなものを向けています。目の前で(おそらく)両親を殺され、自らをも殺すかもしれない人に向かって刃を向ける…、その姿に善児は何を思い、助けることにしたのでしょうか。いずれその謎解きがされるのかもしれません。これが、今後「善児が育てる孤児」ということになります。(オープニングテロップにもトウと出ていました)
 実は、鎌倉殿の13人の公式HP配役発表第7弾では「トウ役 山本千尋」の紹介で「善児に育てられた孤児」と紹介されています。果たして彼女が第二のアサシンとして育てられるのか、これも興味深いところではあります。

 善児は架空のキャラクターですが、実はモデルになった人物がいます。それは金窪行親という北条義時(小栗旬)の配下です。この人は暗殺こそしていませんが義時の命により、非情な殺戮を繰り返しました。邪魔になった二代目将軍・源頼家(金子大地)の家臣を殺害したり、武将としては和田合戦で活躍しました。
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