8月18日が誕生日である人々

767年(天平神護3年/神護景雲元年)、伝教大師こと最澄が生まれました。日本天台宗の開祖。比叡山延暦寺を開いた人でもあります。ライバルでもあった弘法大師の空海を祖とする真言宗以外のわが国の仏教の大部分は、この比叡山で修行した人たちが独自の教えを広めるようになったものです。そういう意味ではわが国の仏教の大部分の祖でもあります。弘仁13年6月4日（822年6月26日）、比叡山の中道院で没、享年56（満54歳没）。
1305年（嘉元3年7月27日） 、足利尊氏が生まれました。室町幕府の初代征夷大将軍。鎌倉幕府を滅ぼすにあたってライバルであった同じ河内源氏(清和源氏)の新田義貞を葬り、後醍醐天皇を南朝を開くのを余儀なくし、吉野の山奥に追いやった張本人でもあります。
1819年、スペイン統治下キューバのオリエンテ州（現：グランマ州）バヤモ出身の弁護士、プランテーション所有者であるカルロス・マヌエル・デ・セスペデスが生まれました。1868年10月10日にキューバの独立を宣言し、第一次キューバ独立戦争が開始されました。パドレ・デ・ラ・パトリア（国父）と呼ばれています。1869年4月12日にはキューバ共和国の大統領に選出されました。しかし、 1873年10月27日に権力を集中させようとして保守勢力が多数派を占める議会と対立し、失脚します。その後は山中に潜伏していましたが、スペイン軍に発見され、殺害されました。
1856年、ウクライナ出身のヘブライ語著作家・社会哲学者であり、シオニズム思想家、ヘブライ語著述家でもあるアハド・ハアムが生まれました。シオニズムや、ユダヤ教の問題について数々の評論を発表しました。彼は失われたイスラエルを取り戻そうとしていたヘルツルの「政治シオニズム」に対して、「精神的シオニズム」の中心的人物となりました。彼はイスラエルは「精神的な中心地」として必要であるとし、イスラエルの地がユダヤ人にとって必要なのは、「ヤハドゥート（ヘブライ語では、ユダヤ教・ユダヤ的精神・「ユダヤ性」を含んだ広い概念といわれる）の問題の解決」のためであり、「ユダヤ人国家」も「ヤハドゥート」の実現のために必要なのだ、と主張しました。 1927年1月2日に死去。
1864年(元治元年)、小説家で歌人の伊藤左千夫が生まれました。江戸時代の生まれだったとはちょっとびっくり。現在の錦糸町駅前に牛舎を建てて乳牛を飼育して牛乳の製造販売を始め、その傍ら1898年（明治31年）に新聞『日本』に「非新自讃歌論」を発表。『歌よみに与ふる書』に感化され、正岡子規に師事。子規の没後、根岸短歌会系歌人をまとめ、短歌雑誌『馬酔木』『アララギ』の中心となって、島木赤彦、斎藤茂吉、古泉千樫、中村憲吉、土屋文明などを育成しました。また、1905年（明治38年）には、子規の写生文の影響を受けた小説「野菊の墓」を『ホトトギス』に発表。夏目漱石に評価されます。代表作に『隣の嫁』『春の潮』など。1913年（大正2年）7月30日に脳溢血のため南葛飾郡大島町の仮寓で死去。
1906年、フランスの映画監督、マルセル・カルネが生まれました。1936年に女優のフランソワーズ・ロゼー主演の『ジェニイの家』で映画監督としてデビュー。1938年には『霧の波止場』がヴェネツィア国際映画祭監督賞とルイ・デリュック賞を受賞。デビューから2年でフランスを代表する巨匠としての名声を得ます。1942年に『悪魔が夜来る』を発表。政治的にも経済的にも映画制作が困難な状況の下、反ファシズムの姿勢を貫きました。パリ解放後の1945年、再びプレヴェールと組んでフランス映画史に今も燦然と輝く名作『天井桟敷の人々』を発表。その後もエミール・ゾラ原作の『嘆きのテレーズ』（1953年）などを発表しました。1996年10月31日、クラマールにて90歳で死去。
1927年、小説家の城山三郎が生まれています。経済小説の開拓者であり、伝記小説、歴史小説も多く著しています。1959年（昭和34年）、『総会屋錦城』で第40回直木賞。『落日燃ゆ』で吉川英治文学賞、毎日出版文化賞。1996年（平成8年）、『もう、きみには頼まない 石坂泰三の世界』で第44回菊池寛賞。2007年（平成19年）3月22日午前6時50分、間質性肺炎のため、茅ヶ崎市内の病院で死去。79歳没。お別れの会には、中曽根康弘、小泉純一郎、河野洋平、土井たか子、五木寛之らが出席しました。
1932年、フランスのウイルス学者、リュック・モンタニエが出生。1983年、HIV(エイズウイルス)を発見しました。2008年、フランソワーズ・バレ＝シヌシ及びハラルド・ツア・ハウゼンと共にノーベル生理学・医学賞を授与されました。現在も存命。
1933年、フランスの映画監督、ロマン・ポランスキーが生まれています。両親はポーランド系でしたが、出生はパリででした。当初は監督ではなく、冷戦下の1950年代にポーランドで俳優として活動を始めました。いくつかのポーランド映画に出演後、自由な表現活動を求めてフランスに移りました。1962年に『水の中のナイフ』で監督デビュー。渡米したポランスキーは1977年にジャック・ニコルソン邸で、当時13歳の子役モデルに性的行為（強姦・アナルセックス）をした嫌疑をかけられ逮捕、裁判では司法取引により法定強姦の有罪の判決（実刑 懲役50年以上という換算）を受けます。ポランスキーは法廷の外では無実を主張し、「これは冤罪であり、本人は少女とその母親による恐喝の対象になっていた」と述べています。1978年にフランスに移り、市民権を取得しました。アメリカ脱出後は欧州を活動拠点にし、『フランティック』や『赤い航路』『死と処女』『ナインスゲート』など意欲的に作品を発表。2002年公開の『戦場のピアニスト』で第55回カンヌ国際映画祭パルムドール及びアカデミー監督賞を受賞しました。しかし最大の代表作はアメリカ時代、1968年に撮った『ローズマリーの赤ちゃん』でしょう。この人も存命。
1936年、アメリカの俳優、ロバート・レッドフォードが生まれています。1969年、アメリカン・ニューシネマの傑作『明日に向って撃て!』に出演。興業的に大成功を収め、レッドフォード自身も知的で信頼性があり、時に冷淡な雰囲気を醸し出す俳優として一躍スターダムに上り詰めました。1970年代にはハリウッド屈指の美男俳優として数多くの映画に出演。1980年、自身が監督した映画『普通の人々』でアカデミー監督賞を受賞、作品もアカデミー作品賞を受賞し、ハリウッドで初めて「演技と製作の双方で地位を確立した映画人」といわれました。2018年8月6日、俳優を引退すると表明したと報じられました。私がこの人を知ったのは、獣医学科に在籍していた時代、一般教養の英語の授業で『華麗なるギャツビー』がテキストとして採用され、その参考にと映画を見たことからでした。1974年、まだ私が19才の時分のことでした。
1936年、漫画家の古賀新一が生まれています。ホラー映画やオカルトブームを追い風に、黒魔術というアイテムを取り入れた『エコエコアザラク』がヒット。その他の作品もすべてホラーもの。少女向けホラー漫画家として双璧をなした楳図かずおと、どこか画風が似ていました。2018年3月1日、病気のため死去。81歳没。
1950年、漫画家でコラムニスト、漫画批評家の夏目房之介が生まれています。1992年（平成4年）、『手塚治虫はどこにいる』の上梓により漫画批評家としての評価を確立。2008年4月、学習院大学の大学院に新設された人文科学研究科身体表象文化学専攻の教授に就任。このほか、花園大学の文学部創造表現学科にて客員教授を務めるとともに、京都大学の非常勤講師を務めています。漫画家としては、谷岡ヤスジや土田よしこ、佐々木マキの影響下にシュールな作風のギャグ漫画を発表していましたが、はっきり言って大した存在ではありません。夏目漱石の孫です。
1951年、俳優の柴田恭兵が誕生。1975年（昭和50年）に東京キッドブラザースに入団。舞台『十月は黄昏の国』でデビューし、舞台で活躍。1979年（昭和54年）、『赤い嵐』で連続ドラマ初主演。『俺たちは天使だ!』で一躍脚光を浴び、人気を定着させました。1986年（昭和61年）、舘ひろしとコンビを組んだ『あぶない刑事』主演で爆発的な人気を得ました。東京キッドブラザース時代から歌手としても活動を続けています。
1957年、女優の名取裕子が生まれました。青山学院大学在学中に「ミス・サラダガール・コンテスト」に応募。準優勝を果たし芸能界に入ります（同コンテスト優勝者は古手川祐子）。その後、『3年B組金八先生』に出演して人気を得ました。映画では『序の舞』や『吉原炎上』でのヌードを厭わない体当たりの演技が話題になりました。結婚願望がないわけではないらしいのですが、何故か独身。
1960年も女優。蜷川有紀(ゆうき)。1978年、つかこうへい構成・演出『サロメ』（西武劇場）にて、3,000人の応募者の中から選ばれ主役でデビュー（当時の芸名は水野さつ子）。1980年には『忍者武芸帖 百地三太夫』（東映）のヒロインおつう役で映画デビューし、翌年には『狂った果実』（にっかつ）で主演。以降、映画『ひめゆりの塔』『もどり川』『人でなしの恋』やTV『鬼龍院花子の生涯』など出演作多数。舞台では『仮名手本忠臣蔵』『にごり江』などさまざまな異色の作品に出演し、確実な演技で評価を得ました。2006年より女優業を休業し、画家として活動しています。2017年蜷川有紀絵画展『薔薇の神曲』パークホテル東京ではダンテの『神曲』時獄篇をテーマにした縦3メートル、横6メートルの超大作『薔薇のインフェルノ』を発表しアートイベントとして異例の成功を収めました。
1962年、ビートたけしの弟子で、漫才コンビ「浅草キッド」のツッコミ担当の水道橋博士が生まれています。相方は玉袋筋太郎。ピンでも活躍。コメンテーター、ライターとして雑誌にコラムやエッセイの執筆などを行っています。2018年11月9日、過労による体調不良のため休養することを発表。以後仕事はせず、Twitterも休止状態にありましたが、2019年に入り橋本治や岡留安則の死を悼むツイートを行うなどしています。
1964年、元アイドル歌手、女優、タレントのいとうまい子(伊藤麻衣子)が生まれています。1982年、ミスマガジンコンテストの初代グランプリを受賞。1983年、シングル「微熱かナ」でアイドル歌手としてデビュー。中森明菜、小泉今日子、松本伊代らの「花の82年組」には一年デビューが遅かったものの、同年デビューの歌手には大沢逸美、森尾由美、松本明子、小林千絵、THE GOOD-BYE、岩井小百合、桑田靖子、原真祐美、小出広美、武田久美子などがいました。共通しているのはヒット曲に恵まれず、「不作の83年組」と言われました。1984年、大映テレビ制作のテレビドラマ『不良少女とよばれて』（TBSテレビ）のヒロイン・曽我笙子役を演じました。それまでのヒロイン役から一転して不良少女を演じたこのドラマが高視聴率を記録して、話題を集めます。この前の主演作『少女が大人になる時 その細き道』に出演していた際に、スタッフから「次は不良少女ものが制作される」と聞かされ、その際いとうは不良少女役がやりたくてたまらなくなり「この役ができるなら、モヒカンでも坊主頭でもなんでもやります！」と自ら主人公を演じたいとプロデューサーに電話で直談判しましたが、すでに別のアイドル（名前は明かされていません）が決まっており、また、これだと『高校聖夫婦』『少女が大人になる時 その細き道』に続いて3作連続主演になることもあって局側が難色を示したこともあって一時あきらめかけました。しかし、「ヒロインをやる予定だった子が急に『アイドル路線で行きたいから』との理由で断ってきたんだけど、やってみるか?」と誘われ、急遽いとうのヒロイン役が決まったのです。歌手活動では、主演ドラマ『婦警候補生物語』（日本テレビ）の主題歌となった「見えない翼」が自身初となる10万枚超えを記録し、『ザ・ベストテン』のスポットライトでも歌唱されました。「奇跡の50歳、永遠の18歳」とも言われています。そのため、20代、30代の女性と一緒に写真を撮ってもその世代と遜色がないため実年齢より若く見られています。
1965年、歌手、俳優の吉川晃司が生まれました。1984年、シングル「モニカ」で歌手デビュー。「LA VIE EN ROSE」、「KISSに撃たれて眠りたい」、「VENUS 〜迷い子の未来〜」や布袋寅泰とのユニット、COMPLEXでの「BE MY BABY」などのヒット曲で知られます。デビュー当時は映画に多数出演。一時は俳優業からは遠ざかっていましたが、2000年の『漂流街』出演以降、しばしば取り組むようになりました。芸能界でも屈指の三國志フリークであり、中国の遺跡を訪れたり、現在、東京国立博物館で開催されている「特別展 三国志」ではイヤホンガイドのナビゲーターを担当しています。
1965年、女優、水着グラビアアイドル、タレントの堀江しのぶが生まれました。1983年（昭和58年）、クラリオンガールコンテストで平凡パンチ・アイドル賞を受賞。明るいキャラクターと健康的なプロポーションで人気アイドルとなり、ドラマやバラエティで活躍していました。巨乳ブームの先駆けでもありました。1988年（昭和63年）の始め頃から腹痛や食欲不振などの体調不良を訴え、同年4月8日に東京都内の病院で診察を受けた後、翌9日に緊急入院しました。当初、病名は「卵巣嚢腫（のうしゅ）」と発表されていましたが、入院時には堀江は既にスキルス性胃癌が卵巣にまで転移した末期癌の状況で、さらに6リットルもの腹水が溜まって癌性腹膜炎も併発しており、「余命2か月」との診断が下されました。その後、一部週刊誌が堀江の重病説を報道していたものの、堀江が所属するイエローキャブの社長・野田義治や家族の意向もあり、堀江本人には本当の病名は最後まで告知されませんでした。堀江の病状は一旦回復し、1988年5月頃に地元の名古屋市南区・中京病院へ転院。一時外出の許可が下り、母親と買い物に出るなどしていましたが間もなく容体が悪化。1988年8月18日、堀江は23歳の誕生日を病室で迎えたものの、ベッドからも自力で起き上がれない状態でした。それから26日後の1988年9月13日午前4時28分、スキルス性胃癌のため死去。入院中に見舞いに来た芸能人は女優の可愛かずみだけで、堀江は「また東京に戻って芸能の仕事をやりたい」と訴えていたとか。
1972年、元SMAPのリーダー、中居正広が生まれています。はっきり言って歌はドヘタ。しかし東日本大震災では数億円の寄付をし、炊き出しに駆け付けるなど、その人間性には好感が持てます。

次は亡くなった人々を見てゆきます。