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2019年06月21日00:16

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私のJAZZ体験

アナログLPとCDとを足して、ジャズだけで3500枚くらい持っているでしょうか。もっとも、今、LPの方の再生装置がないので、宝の持ち腐れ状態になっています。それらの中にはいまだCD化されていないものも結構あります。

何度繰り返し聴いても、CDやLPは最初に聴いたとき以上の感動は得られません。ジャズの感動はやはりライブ(実演)にあります。
それはCDやLPのようなスタジオ録音だと、ミュージシャンは「記録として残る」という事を意識して、破綻のないこじんまりとした演奏になってしまうからです。ライブとスタジオ録音でエモーション面で差がなかったのは、50年代、60年代のマイルス・デイヴィスの黄金クインテット(第一次、第二次)ぐらいのものだと言われています。それもプロデューサーのテオ・マセロが元の録音テープにずたずたにハサミを入れて、編集したからなのだとか。

ライブでの演奏は原則として録音を前提としていないので、ミュージシャンはスタジオ録音の時と違って、アドリブ・ソロもたっぷりと時間をかけて演奏しまくります。時にまとまりがなかったり、破綻してしまう場合もありますけれど(笑)。

私はライブ演奏を聴きに行ったのは、100回ではきかないと思います。その中で外国人ミュージシャンのコンサートは、敬愛するピアニスト、バリー・ハリスさんのものを除けば、大半が南青山のブルーノート東京でのライブや富士通コンコードジャズフェスティバルのコンサートでした。こういったコンサート、私が30代になって以降は、たいていバリバリの現役の邦人ジャズプレイヤーとご一緒してのものでした。
貴重だったのは、プロの目を通しての演奏に対する寸評が聞けること。プロがプロの演奏について話してくれるのですから、こんな贅沢な事はありません。
このミュージシャンの方も私の聴き取る力を解ってくれて、「わたつみサンは、曲のテーマ(最初と最後に演奏される曲の元々のメロディー)を聴いて、後はなんとなく聞き過ごすのではなく、ちゃんとテーマとソロ(アドリブ)の関連をフレーズとして聴き分けているんだね」と、好意的に見てくれています。

ちょっと話がずれますが、これは私のフランス料理やイタリア料理の体験と共通するものがあります。この分野でも、私はプロの料理人とのつき合いがあり、一緒に食べに行ったり、厨房に入らせて貰って、けじめをつけるために調理にこそ手は出しませんでしたが、味見をさせてもらったり、手順を見せてもらったりした事がありました。
おかげで、どんなに高名な店に食事をしに行っても、とうに「ご馳走感覚」などというものはすっかり抜けてしまっています。それが幸せな事か不幸な事なのかは、微妙なところですが。
こうしたプロの手ほどきを受けた事で、私の味覚は恥ずかしくないものになり、店の主人などから、「お客さん、ずいぶん月謝を払ってきたんだねぇ」と呆れられたことも一度ではありません。

たしかに話がいささかずれました。でも料理にもジャズの演奏にも、共通する事は、最後はその人の人間性にあるという事です。
腕がたとえ良くても、人間性に問題があっては、料理も音楽も美味しいものにはなりません。
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