新型ウイルスの影響でしょうか。お休みの方がちらほら。
講義は「新聞歌壇の歌」
小池さんは読売新聞の歌壇の選歌をしておられます。
老いの歯の致し方なく抜かれけり身のもの一つ失する淋しさ 水戸市中崎正紀
「致し方なく」うまい言葉、
「失する」は馴染めない「欠ける」へ
耳遠きわれにも聞こゆる小夜しぐれ石槌の山は雪になりなむ 西条市山本美知子
人間の奥深いものを感じる。きれい、短歌は美しいことが大事。
啄木はがんばっていた『一握の砂』の歌集を読めばわかるよ 鳴門市楠井花乃
正直、素直、すがすがしい。私はよくこの人の歌を取る、すると賛成、反対の葉書が来る。
ゆふぐれに怪しきほどの満月が元年師走むっくりと出る 太田市橘 初江
満月がむっくりで歌になる。
携帯に圏外と出たこれからは救ひ手の無き山に踏みこむ 東京都大村森美
人生の比喩にも思える。
小池・えー皆さんはどう思いますか!
と今回はバチバチと名指しで受講生に発言させる。
(おっとっと油断はならず、構えて構えて…)
圏外に…の歌を当てられる。
「携帯で覚悟をするのか、と意外感が感じられました」(やれやれ)
小池・では皆さんはどの歌が一番好きですか?
「耳遠きわれにも…」の歌がダントツ9人で一番人気。
後で私は「私一人で読んでいたら、地味で通り過ぎてしまう。しかし、小池さんの解説が良かったから、皆さんもそうではないかと思う」と小池さんにいう。
鑑賞、解説の力と思うもの。
題詠 戦う
一粒の眠剤はのみど落ちゆけり鋭き神経網とたたかはむべく とうこ
小池・よくできた歌、これでよい(あっさり)
後でKさんが「眠れない時はね、ラジオを小さくかけていると自然とねむくなってくるわよ」
Sさんは「源氏物語をずっと続けて読むのよ、眠れるのよ〜」と教えてくださる。
皆さん優しい!!うれしいです!
「戦う」の題ではやはり戦争の事象が多かった。
子供であっても直の戦争体験が、または話を覚えている年代。
しかし、もう覚束なく…。
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