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2020年01月28日14:35

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短歌人 2月号 掲載歌

      三島湧水

  地表へと出でし湧水ながれはやし紅葉一枚たちまち運ぶ

  オレンジ色の脚ひるがへしひるがへし鴨の遡上のままはかどらぬ

  おほかたは聞き役となり歩きゆく 秋の疎水に日はふりそそぐ

  鎧兜の爺様はははと笑ひをれば錦秋一日世はこともなし

  水の街の秋の散歩の日は暮れて女二人の話しとめどなし

  傍らをだつと駆けゆき乗車せるは同年配ならむ塵(ちり)泥(ひぢ)たてて

  さざんくわのひとつ咲けるを力として雑草あまた地を這ひて引く


三島へ友人と散策に行った時の歌が主です。
4首目突然鎧兜の爺様が出てきますがその前の歌は。

  鎧兜のをとこ三世代「なにごと」と問へば三島神社七五三詣り

三島神社の境内で「菊花展」力作数多で凄いのです。
その一鉢一鉢にどれだけの手数がかかっているかと思うと
愛の結晶の菊の花と思うと、慄然とします。そこで。

  一鉢に三百六十五日の手数 手数おそろしき菊花展なり

没の歌、もう一つはこんな歌。
                         隅で
  歌会中に「スカボロフェア」を尋ぬれば歌うたひくれし姉野もねさん

東京歌会で一番隅の方に座っていました。私の割り当ての歌に「スカボロフェア」
という言葉があり、スマホの持ち合わせない私は、つい隣の若い方に小声でお尋ねしたところ「イギリスの伝統的バラード」と教えてくださって、例えば…と、
小声で唄ってくれたのでした!

わたしも歌会中に歌を聴いたのは初めてで、「おおお!」と喜んだものです。
<私語厳禁>もちろん<唄う厳禁>でしょう。
でも素敵でしょ、姉野もねさん。
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