三島湧水
地表へと出でし湧水ながれはやし紅葉一枚たちまち運ぶ
オレンジ色の脚ひるがへしひるがへし鴨の遡上のままはかどらぬ
おほかたは聞き役となり歩きゆく 秋の疎水に日はふりそそぐ
鎧兜の爺様はははと笑ひをれば錦秋一日世はこともなし
水の街の秋の散歩の日は暮れて女二人の話しとめどなし
傍らをだつと駆けゆき乗車せるは同年配ならむ塵(ちり)泥(ひぢ)たてて
さざんくわのひとつ咲けるを力として雑草あまた地を這ひて引く
三島へ友人と散策に行った時の歌が主です。
4首目突然鎧兜の爺様が出てきますがその前の歌は。
鎧兜のをとこ三世代「なにごと」と問へば三島神社七五三詣り
三島神社の境内で「菊花展」力作数多で凄いのです。
その一鉢一鉢にどれだけの手数がかかっているかと思うと
愛の結晶の菊の花と思うと、慄然とします。そこで。
一鉢に三百六十五日の手数 手数おそろしき菊花展なり
没の歌、もう一つはこんな歌。
隅で
歌会中に「スカボロフェア」を尋ぬれば歌うたひくれし姉野もねさん
東京歌会で一番隅の方に座っていました。私の割り当ての歌に「スカボロフェア」
という言葉があり、スマホの持ち合わせない私は、つい隣の若い方に小声でお尋ねしたところ「イギリスの伝統的バラード」と教えてくださって、例えば…と、
小声で唄ってくれたのでした!
わたしも歌会中に歌を聴いたのは初めてで、「おおお!」と喜んだものです。
<私語厳禁>もちろん<唄う厳禁>でしょう。
でも素敵でしょ、姉野もねさん。
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