mixiユーザー(id:51352222)

2019年11月15日19:27

302 view

小池教室

今日の講義は藤島秀憲さん『ミステリー』
50歳代、文章上手。
親の介護を19年以上やって、二親を送った。

伸びやかで軽やか自分の境遇を嘆かない。

  医学生が父の解剖する午後をチラシ配りに歩くわたしは

おとうさんは献体をした。そして自分は。
こういう人生もあるのかとはっとする。

  一軒に配れば二円の仕事して金貸しなりし祖母がわかりぬ

チラシ配りの仕事をしている。

  部屋に着くころには炊けているはずの舞茸ごはん ふたつの茶碗
  それぞれの五十五年を生きて来て今日おにぎりを半分こする

結婚したんだね。舞茸ご飯、二つの茶碗、よい。

  定収入よりも体のたいせつを言える吾妻をかき抱きたり

なかなか。

  春一番に花環倒れて火葬場のトイレに父が入れ歯忘れて

詞書付き・母が死んだ
入れ歯は大事ですよ。それがなければご飯食べられません。


題詠  忘れる

  忘れたきこと幾つかを押し込めし海馬この頃ほころびてくる     とうこ

海馬は記憶をつかさどるところ。
わが海馬  ほころぶらしも   と添削あり

  忘れたきこと幾つかを押し込めしわが海馬この頃ほころぶらしも

(平凡な歌にてお恥ずかしい…)

お茶が終わって帰る時、藤島さんの
  定収入よりも体のたいせつを言える吾妻をかき抱きたり
がいいわねぇ、とSさんが言い出してみんなで「かき抱きたり」とハグし合いました。
女ばかりで。喫茶店のレジで並びながら。変な団体です。



8 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する