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2019年08月25日23:15

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松方コレクション

上野の西洋美術館で「松方コレクション展」。
松方幸次郎は松方正義の三男で、若くして川崎造船所の社長となり、大正時代から昭和初期にかけてヨーロッパで膨大な絵画を購入した。
しかし、国内に持ち帰った分は散逸し、ヨーロッパに残った分は焼けたり、接収されたりした。戦後、フランスから日本に返還された絵画を中心に西洋美術館が開館したのだ。
2016年、フランスで、ぼろぼろのマネの「睡蓮」が発見された。横4メートルの大作だが上半分が欠けている。それが松方コレクションの一点だとわかり、日本に運ばれ、修復された記念に、散逸した絵画もある程度集めて今回の展覧会となったのである。
修復されたと言っても下半分しかなく、とうてい絵画としての鑑賞に耐えるものではない。
それより、近代を中心とした膨大な絵画とロダンの彫刻の羅列に圧倒された。
ゴッホ、、ゴーギャン、シスレー、ピサロ、ルノアール、ムンク、ピカソ・・・。古いものではブリューゲルやコレッジョ派など。
ちょっと毛色の変わったものでは、フランスの画家ジローに発注した「裕仁殿下のル・アーヴル港到着」。昭和天皇が皇太子時代の1921年にヨーロッパを訪問した際の絵である。日章旗を掲げたイギリス製の戦艦「香取」が入港した様子を描いている。
このような記念の絵画は、明確にリアルに描くのが通例だが、逆光が強調されて全体がぼけたイメージになっている。艦上にも港にも多くの人物が描かれているが、皇太子やフランス側の要人らしき人物は特定できず、防波堤が妙に目立つ。それが絵画として面白い味を出している。




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