mixiユーザー(id:5099619)

2019年08月17日23:53

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本杉郁雲写真展

AIRYで、「伽藍(がらん)」、本杉郁雲(いくも)写真個展。
9枚の写真。印画紙に焼き付けているのだが、かなり「濃い」焼きに仕上げている。
案内のはがきには、中央に工場のような建物(煙突から煙り)が写っているが、周囲を黒くして、まるで夜中にぼーっと浮き上がっているような印象。
他の写真も、ほとんど人物を入れない。
低いアングルで逆光の原っぱを撮ったり、あえてぼかして風景を撮ったりする。

写真家と話をしている内に気づいたことなどいくつか。
写真は現実を正確に写し取るという役割があるが、写真家はそこに「自分の感じた」姿を表現しようとする。そこで、フォーカスや焼きによって、調整をする。
まるで、リアリズム絵画と印象派絵画のような相違が、写真にもある。
現像の段階でゴミや傷によって偶然姓が作用するし、
仕上がった後でも、印画紙が湿気によって丸まってきたり、
部屋の照明によって見え方が違ったりして、それがオリジナリティとなる。
サイズの違いは印象をかなり変える(壁の展示と同じ写真が、小さなサイズで机の上に置かれていた)。もし、全紙サイズにして、テキストを加えれば、杉本博司に近い作品になるかもしれない。

高校生の頃、よく写真の焼き付けをしていた(45年も前)。
その時のことを思い出させてくれる、手作り感満載の個展だった。








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