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2018年06月20日11:24

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少女パレアナの「何でも喜ぶゲーム」



1986年にフジテレビ系列「ハウス世界名作劇場」で、テレビアニメ「愛少女ポリアンナ物語」が放映されたことがあります。

「愛少女ポリアンナ物語」の原作はエレナ・ポーター「少女パレアナ」(角川文庫)で、1993年に出版されて以来、今でも多くの人に読まれている本です。

孤児となったパレアナは気難しい叔母さんに引き取られますが、どんなことでも喜ぶことを捜し出す「何でも喜ぶ」ゲームで、その頑な心を溶かしてゆきます。
やがてその遊びは町全体に広がって人々の心を明るくしていくという物語です。

「いつでも喜ぶ」ということは、決して「お人よし」でできることではなく、
強い意志と努力が必要だということを、教えてくれます。

そして、この「パレアナ」という言葉は、ウェブスター辞典に普通名詞としても出るようになり、「エレナ・ポーターという作家の有名な作品『パレアナ』から作られた名詞で、
喜びを意味する」と書いてあります。
また辞典には、「パレアナイズム」、「パレアンーイッシ」という単語もあり、いずれも「楽観主義」とか「喜悦」という意味の注がついています。

私も昔、数回読みましたが、読むたびに胸が締め付けられるほどの、感動を味わいました。
以下は、「少女パレアナ」のあらすじです。

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一人の少女がいました。人々に喜びの種を蒔いた、かわいい女の子。名前をパレアナといいます。失望したり、不平を言う人にパレアナは話します。

「牧師だったお父さんと暮らしていたとき、どうしてもお人形が欲しくてお父さんにねだったの。
お父さんは、いろんな人にお願いしてくれ、ある日、荷物が届いた。うれしくて、さっそく開けたわ。
でも、入っていたのは松葉杖だったわ。私は、とてもがっかりして、思わず泣いてしまったの。
すると、お父さんは、ゲームをしようと言いだしたわ。
喜びを見つけるゲームをしよう。さあ、今から喜びを見つけるんだよって。

がっかりしていた私は、とても無理だと思ったわ。
でも、お父さんはこう言ったの。
パレアナは、丈夫な足を持っている。この松葉杖を使う必要がない。それが喜びだよ」
こうして、パレアナはどんな時にも、喜びを見つけ明るく希望を持つことの大切さを人々へ語りかけました。
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パレアナは、幼い時に母を亡くし、牧師である父と貧しいけれど幸せに暮らしていました、
10歳になった時、優しかった父も、パレアナを一人ぽっちにしてこの世を去りました。

孤児になったパレアナは、伯母のパレーにひきとられます。
 パレーの家にひきとられたパレアナは、何もない屋根裏の部屋を与えられ、ガックリします。しかし、すぐに、「鏡のないのもうれしいわ。鏡がなければ、ソバカスも見えませんものね」と言います。

このようにパレアナは、どんなことのなかにも喜びのタネを見つけだし、感謝に結びつけていくのです。

 それを彼女は“喜びの遊び”と名づけています。苦しいことでも、悲しいことでも、つらいことでも、なんでも喜びにしてしまうのです。この“喜びの遊び”は、神父であった父から教わったものでした。

 おばのパレーは突然舞いこんだパレアナをうとんじ、何かにつけて意地悪をします。パレアナは時にくじけそうになりながらも、“喜びの遊び”をつづけます。

苦しいこと、悲しいこと、つらいことを喜びに転化するよう努力し、“喜びの遊び”の仲間を一人ずつふやしていきます。やがて大人も子どもも、村中の人が、喜びの遊び。に夢中になります。その遊びは村がら町へと広がっていきます。パレアナの周りは喜びでいっぱいになります。
 ところがある日、パレアナは交通事故にあい、片足を切断しました。失意のどん底に沈んだパレアナは、喜びを見つけることができず、病床で悩みぬきます。

そんなとき、最後まで“喜びの遊び”の仲間に入らなかった伯母のパレーが、ついに仲間になります。そして、病床に横たわるパレアナに向かって言いました。

「町中の人がこの遊びをして、町中が前よりもおどろくほど幸せになっている――これもみな、人々に新しい遊びとそのやり方を教えた、たった一人の小さな女の子のおかげなのだよ」

 パレーおばさんも仲間だとわかったとき、バレアナは病床で手をたたき、
「ああ、あたし、うれしいわ」
と叫んだかと思うと、突然その顔にすばらしい輝きがあらわれました。

「あら、おばさん、やっぱり、あたし喜べることがあるわ――とにかく、前には足があったということよ――そうでなかったら、そんなことが――とてもできなかったでしょうからね!」

 たった11歳の少女が町中の人を幸せにしてしまったのです。実際、パレアナの心づかいはすばらしいと思います。
 
パレアナはすべての物事の中に喜びのタネを見つけ、感謝に結びつけていきました。
 喜びの発見→感謝→明るい生活――一人がこの“喜びの遊び”を楽しんでつづけていれば、家族、友人、職場の仲間へとその輪が広がり、幸福な人がたくさんできてくるでしょう。

「さあ、喜びのゲームをしましょう」と可愛い少女パレアナは、私たちに語りかけています。私たちも、何時どんな時にも、喜び、感謝しましょう。

そして、直接接する人、心に思い浮かぶ人々に対して、何よりも先に感謝の念をささげるのです。
「ありがとう」と言ってしまうのです。
「お父さん、ありがとう」
「お母さん、ありがとう」
「友人のA君、ありがとう」
「職場のBさん、ありがとう」

苦しい時、悲しい時ほど、“喜びの遊び”を熱心にしましょう。
★エレナ・ポーター「少女パレアナ」(角川文庫)514円


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