89歳になる小生、物忘れはひどくなる、下着の裏表の間違いに気がつかない、うっかりミスの頻発、食事中物をこぼす、左ひざを痛め歩くのも不自由でびっこの歩き方、腎盂がん、ガンで左の腎臓の摘出、膀胱がん、その他いろいろと通院も多くなった私には、身につまされる思いで読まされる詞があります。「手紙 親愛なる子供達へ」です。
【訳詞】角智織
【日本語補詞】樋口 了一
【作曲】樋口了一
http://www.utagoekissa.com/tegamishinainarukodomotachihe.html
手紙 親愛なる子供達へ
年老いた私が ある日 今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私のことを理解してほしい
私が服の上に食べ物をこぼしても 靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを教えたように見守って欲しい
あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても
その結末をどうかさえぎらずにうなずいて欲しい
あなたにせがまれて繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は
いつも同じでも私の心を平和にしてくれた
悲しいことではないんだ 消え去ってゆくように見える私の心へと
励ましのまなざしを向けて欲しい
楽しいひと時に 私が思わず下着を濡らしてしまったり
お風呂に入るのを嫌がるときには思い出して欲しい
あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
いやがるあなたとお風呂にはいった 懐かしい日のことを
悲しいことではないんだ 旅立ちの前の準備をしている私に
祝福の祈りを捧げて欲しい
いずれ歯も弱り 飲み込む事さえ出来なくなるかも知れない
足も衰えて立ち上がることすらできなくなったなら
あなたが か弱い足で立ち上がろうと私に助けをもとめたように
よろめく私に どうかあなたの手を握らせて欲しい
私の姿を見て悲しんだり 自分が無力だと思わないでほしい
あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど
私を理解して支えてくれる心だけを持っていて欲しい
きっと、それだけでそれだけで 私には勇気がわいてくるのです
あなたの人生の始まりに私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに少しだけ付き添って欲しい
あなたが生まれてくれたことで、私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変わらぬ愛を持って笑顔で答えたい
私の子供たちへ
愛する子供たちへ
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