◆貧乏人が一番やれることは、笑顔だ
ばあちゃんは、洋七さんに
「学校はどうだ?」とか
「勉強はどうだ?」とか聞いたことはありませんでした。
でも、ばあちゃんがひとつだけ
口やかましく言っていたことがあります。
それは笑顔です。
「笑顔できちんと挨拶しろ。
貧乏人が一番やれることは、笑顔だ」
「笑っておけば、周りも楽しそうになる」
「笑顔は宝」
ばあちゃんはどんな時も笑顔で挨拶をする人でした。
(ばあちゃん、
たくさんの笑顔をありがとうございました)
◆小さくても一生懸命
「花屋の花は肥料やったり、
人の手が加わっているから大きくて当たり前。
小さくても一生懸命、
自分の力で咲いているのが一番きれい」
小さくてもいい。
弱くてもいい。
一所懸命、花を咲かせよう。
◆金、金と、言うんじゃなか
「金、金と、言うんじゃなか。
一億円あったて、金魚一匹つくれんばい」
さすが貧乏でも、明るくたくましく生きたばあちゃん。
ばあちゃんによると、
貧乏には明るい貧乏と暗い貧乏があるそうだ。
「うちは明るい貧乏だからよかと」
お金が無くても、胸を張って生きていこう!
◆いちばん食べたいものが、いちばん高級品
「いちばん食べたいものが、いちばん高級品」
「うまいから高いんじゃない、品物が少ないから高いだけ」
ほんとにそうだな。
安くても、うまいものはたくさんあるぞ。
そして、空腹であればたいていのものはおいしい!
◆人に気づかれないのが本当の優しさ
運動会で小学生の洋七さんは、
教室でひとりばあちゃんの作ってくれた
梅干弁当を食べようとしていました。
が、担任の先生が、
「ちょっと腹壊してしまって、弁当変えてくれんか」
と頼みに来るのでした。
取り替えた弁当は、
これまで食べたことのないほどの豪華なおいしい弁当。
それは毎年続きました。
「うちの先生たち、おかしかばい。
運動会になると腹ば壊しよるもん」
洋七さんはそのことを家に帰って話すと、
ばあちゃんは初めて涙を流して言いました。
「先生たちは、お前に気をつかわせんようにしとるとよ。
人に気づかれないのが本当の優しさ、本当の親切ぞ」
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