mixiユーザー(id:5087127)

2019年08月19日23:59

163 view

科学技術之雑談帖(その34)―ふたご座流星群への挑戦

傷だらけの栄光、とでも表したくなる様なはやぶさの成功に続いて、はやぶさ2も無事当初の目的を果たして、地球への帰還―これもこれで大変なのですが―準備に取り掛かろう、という所か、と思います。さて、はやぶさ2に続く、新たなプロジェクトの概要が明らかになりました。これも中々、大変なミッションの様で。

<引用開始>

生命起源 「ちり」分析で迫る  JAXA探査機、ふたご座流星群へ 世界初の成果狙う

小惑星「りゅうぐう」への2度の着陸に成功した「はやぶさ2」に続く、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新しい小惑星探査機の開発が本格化する。現在の計画では2021年度の打ち上げを予定しており、ふたご座流星群の源である小惑星「フェートン」を目指す。すれ違いざまに宇宙空間のちりを捕捉し、その場で解析してデータを地球に送る。地球に降り積もるちりの有機物が生命誕生のきっかけになったとする仮説に迫る。


日本の小惑星探査機では3機目となる「DESTINY+(デスティニープラス)」は、文部科学省が19年度予算に開発費用を計上した。19年度から開発が始まり、総費用ははやぶさ2より4割弱少ない185億円を見込む。はやぶさ2は大型ロケット「H2A」で打ち上げたが、DESTINY+は小型ロケット「イプシロン」を利用する。小型探査機の新技術を実証し、宇宙探査の幅を広げる狙いがある。
打ち上げ後、細長い楕円軌道を描いて地球を周回し、約2年かけて少しずつ地球から離れる。月の重力を利用してフェートンに向かう軌道に移り、さらに約2年かけてフェートンに接近する。

フェートンは三大流星群の一つ、ふたご座流星群の源になる母天体だ。彗星(すいせい)の特徴を併せ持つ活動的な小惑星で、「ダスト」と呼ばれるちりを放出している。このちりが地球とぶつかるときに放つ光が毎年12月、ふたご座流星群として観測される。はやぶさ2がりゅうぐうに1年以上滞在して2度着陸したのに対し、新型機はフェートンに約500キロメートルまで接近し、すれ違いながら観測する「高速フライバイ」に挑む。カメラがフェートンを追尾しながら撮影し、地形や物質の分布を調べる。

フライバイの観測は秒速30キロ超の高速ですれ違う前後のわずか1分間程度で、まさに一発勝負だ。フェートンの軌道を予測して探査機の動きを決め、観測はほぼ全て自動で進む。準備チームを率いるJAXAの高島健准教授は「小天体とすれ違うだけで観測できるフライバイの技術を確立できれば、探査の手段が増える」と意気込む。フライバイの撮影を成功させるには、フェートンを地上から詳しく観測しておく必要がある。フェートンが恒星の前を横切る「恒星食」が22日、日本の函館付近でも観測される予定だ。千葉工業大学の荒井朋子主席研究員は「撮影の条件を決めるために重要なデータが得られる」と話す。

DESTINY+の重要な使命がちりの分析だ。宇宙空間には彗星や小惑星が放出するちりが漂い、地球に飛来する量は年間4万トンを超えるという。大きさ0.1ミリメートル以下の小さなちりは大気圏通過時に加熱の影響を受けず、年約2500トンが地上にゆっくり降り積もっていると推定される。飛来する隕石(いんせき)の約50倍に上る量だ。ちりは炭素や有機物を豊富に含み、地球外からちりがもたらした炭素や有機物が地球の生命誕生のきっかけになったとする仮説がある。一方、小惑星にも炭素や有機物を多く含むものがあり、太古の地球に衝突した小惑星の物質が生命誕生につながった可能性も指摘されている。はやぶさ2は小惑星の物質を持ち帰って分析し、仮説を検証するのが狙いの一つだ。

ただ、小惑星が一度に地球外からもたらす物質の量は多いものの、地表に衝突したときの高熱で有機物の多くは分解する。このため、ちりの方が有機物の有力な供給源とも考えられている。
探査機には独シュツットガルト大学の装置を載せ、ちりの成分などを探査中に分析する計画。地球に飛来する前のちりの成分を分析するのは世界初の試み。土星探査機「カッシーニ」に搭載した分析装置を改良し、ちりの速度や方向も測る。

はやぶさ2の技術を発展継承し、新技術も盛り込む。加速に使うイオンエンジンは最大推力を高めた4台を搭載。はやぶさ2は1台を予備にしたが、新型機は4台を同時に運転し推力を高める。
太陽光パネルは重さ当たりの出力で世界最高レベルの性能を達成した。軽量化のため厚さが従来の約7分の1のパネルを開発。1キログラム当たりの出力は2倍以上になる。小惑星探査は日本が初代はやぶさ、はやぶさ2で開拓したニッチ(隙間)分野だ。米航空宇宙局(NASA)の探査機「オシリス・レックス」など海外勢も参入しているが、月などに比べれば取り組みは多くない。

小惑星から物質を持ち帰るこれまでの「サンプルリターン」に加え、フライバイの観測技術を確立できれば、限られた宇宙予算の中で探査対象や頻度の拡大につながる。

<引用終了>

出典Web:https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190819&ng=DGKKZO48640820W9A810C1TJM000

わたくしは流星群の母体は、彗星かと思っていたのですが、どうも必ずしもそうではない様で。インターネットで検索を掛けてみますと、彗星としてはすっかり種切れになった、いわば種の部分にあたる様で。しかし、世界に先駆けてのプロジェクトなら、もう少し予算を付けても良い様に思いますが、また例の「ニバンジャダメナンデスカー」の様な輩が五月蠅いので、やむを得ない所なのかも知れません。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する