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2020年01月28日13:58

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原発なくそう!九州玄海訴訟ニュースの転載です。    【第31回裁判の報告】

原発なくそう!九州玄海訴訟ニュースの転載です。



第1〜31陣原告、支える会会員のみなさまへ(VOL.204)

【第31回裁判の報告】
昨年11月29日に第31回口頭弁論が開かれました。今回は東日本大震災後、
関東から福岡県うきは市に避難されている内藤哲さんに意見陳述していただきま
した。

本日は、福島原発事故による放射性核種汚染のため神奈川県から福岡県に避難移
住してきた者として意見を述べさせていただきます。
ちなみに私は福島県白河市の出身で実家にはいまだ母と兄家族が暮らしています。
2011年3月11日、福島第一原発がメルトダウンし過酷事故を起こしました。
当時私は妻と1歳になったばかりの長男と三人で鎌倉市に住んでいました。4月か
ら長男が通うことになっていた鎌倉市の保育園の園庭は放射性物質に汚染され土
を入れ換える除染が行われました。
今は風化させられようとしていますが、当時東北地方はもとより首都圏を中心に
関東・甲信越・東海の各地方では次から次に汚染の実態が明らかにされ人々は報
道に釘付けになり不安と恐怖で戦慄していました。
東京都民の水道水を供給する金町浄水場をはじめ関東各地の浄水場が放射性ヨウ
素で汚染され、鎌倉市を含む首都圏のスーパーマーケットやコンビニエンススト
アーからペットボトルの水が消え去りました。埼玉の明治乳業の工場で製造した
粉ミルクに乾燥工程で大気中の放射性物質が混入し40万缶を回収。関東各県の農
産物や魚からも放射性物質が検出され出荷停止。静岡のお茶も出荷停止になりま
した。人々は安全な食べ物を手に入れるため戦々恐々となり、お店には東北・関
東産の農産物が山積みに売れ残っていました。それでもマーケットはある意味健
全で一・二か月のうちに消費者のニーズに合わせて西日本の農産物やノルウェー
やアラスカ産の海産物が棚に並ぶようになりました。
放射性降下物が直接付着したものは出荷停止処分になりましたが、翌年から同じ
圃場で採れたものは土壌汚染があるにもかかわらず信憑性のない基準値が設けら
れ今では普通に流通させられています。そして被曝地の農林水産物が敬遠される
につき政府やマスコミは「風評被害」という言葉を好んで口にするようになりま
した。しかし現実に土壌汚染や海洋汚染がある以上「風評」ではありません。も
し本当に風評というものがあるとしたらそれは政府の言う何の根拠もない「安全」
という言葉のほうでしょう。「安全だ」という風評を信じて健康被害が出ている
としたら政府はきちんと責任を取らなければなりません。
敷地内のミニホットスポットで10μSv/hを計測した福島県白河市の私の実家は福
島第一原発から70km離れています。玄海原発の70キロメートル圏内には佐賀県・
長崎県の各市町村の他、福岡県の福岡市・久留米市も含まれます。また私の住ん
でいた鎌倉市は福島第一原発から270kmほどのところにあります。静岡市にいた
っては360kmです。
もし玄海原発で過酷事故が起きればその汚染範囲の中に九州はすっぽり入ること
になります。風向きによっては西日本全体が広範囲に汚染されます。
事故の危険性には二つの評価があります。ひとつは事故発生時の被害の大きさ、
もうひとつは事故発生確率。
原発がひとたび事故を起こせばその被害は広範囲かつ長時間に渡り甚大なものと
なるのはすでに周知の事実です。
では事故発生確率はどうか。1951年アメリカで発電に成功した実験炉EBR-1から
原発の歴史が始まったとすると、レベル5以上の大事故だけでも1957年9月29日
にはソ連ウクライナで「キュテム事故」、同1957年10月10日イギリスの「ウィン
ズケール原発事故」、1979年3月28日アメリカの「スリーマイル島原発事故」、
1986年4月26日ソ連の「チェルノブイリ事故」、2011年3月11日日本の「福島第一
原発事故」と54年間で5つの深刻な事故を起こしています。そのうちチェルノブ
イリと福島第一はレベル7の過酷事故です。10年に一度ほど深刻な事故を起こし
ていることになります。そして今福島の事故から9年が経過しようとしています。
日本のような世界の大地震の20パーセントを占める地震大国で原発を動かす危険
性を考えてみてください。しかも日本の原発の耐震性は、民間の三井ホームの基
準地震動2933ガル、住友林業1584ガルと比べて一桁低いのです。玄海原発の基準
地震動は620ガルでしかありません。2000年以降熊本地震の最大加速度1584ガル
を含めて1000ガル以上の地震は16回起きています。700ガル以上であれば29回で
す。
恐ろしいと思いませんか? つまり原発事故の事故発生率はきわめて高いのです。
ですから原発は事故発生時の被害が大きいうえに事故発生率も高いきわめて危険
な存在と言わざるを得ません。
そのようなものを国民の命や健康と引き替えに企業の利益追求のために存続させ
るのは憲法に反する行為です。
この国は欧州と違って主権者の健康と命を巨大資本や米国に売り渡す国です。少
なくとも今の政府は、原発はもとより近頃耳にする5Gも発がん物質グリホサー
トや神経毒ネオニコチノイド系農薬、あるいは食品添加物や人工甘味料、遺伝子
組み換え・ゲノム編集といった危険性が疑われるものを予防原則を無視して無条
件に受け入れ、内外の企業の利益追求を優先しつづけてけています。(利益追求
は個人や企業に与えられた権利だとしても他者の生命や健康・財産などの人権を
侵してまで行使されるべきものではありません。もはやアルコール依存症やギャ
ンブル依存症と等しく「利益追求依存症」は企業を侵す病理です。)
予防原則を無視して国民に大きな被害が出たとしても誰も責任をとろうとしませ
ん。責任を取らせる仕組みが機能していないのです。その点で言えば行政ばかり
でなく立法機関も司法機関も等しく責任を取ったためしがありません。裁判所だ
けはその機能を堅持して欲しいと願います。虐げられ踏み躙られた主権者たちの
最後の頼みである司法はその本来の役割を果たさなければなりません。裁判所と
いう過去の判例や因習に縛られた法曹界の特殊言語のような論理や方法論から一
度一人の人間に立ち返り司法判断をしていただきたいのです。この九州でフクイ
チのような過酷事故が起こればここにいる人たちはすべて被害者となる可能性が
あるのです。原告も原告弁護団も被告代理人の皆さんも裁判官の皆さんも傍聴席
の皆さんもここには不在な被告の皆さんも……。
いかに立派な法があろうとその解釈によってボーダーが設けられ見捨てられる主
権者が出ることはあってはなりません。権力側の恣意的な法解釈を鵜呑みにする
ようでは裁判所の存在理由さえ危ぶまれます。正義・公正ということが何なのか
もう一度一人の人間に立ち返った上で判事と言う崇高な仕事を遂行していただき
たく思います。
憲法が制定されて72年、憲法に則った行政や立法、裁判がどれだけ行われて来た
でしょう? 為政者の皆さんが憲法改正など口にする昨今ですが、裁判所にはま
ず違憲状態をなくすよう最大の努力を払っていただきたく思います。近頃頻繁に
行われている違憲立法も直ちに廃止するよう司法判断を仰ぎたいと願っています。
今日、立法・行政・司法に加えて経済産業界・学会・報道の六権が癒着している
のではないでしょうか?
本来権力の暴走を糾弾し歯止めの役割を担うべき報道と学会と司法がその根源的
機能を停止させているのは残念なことです。明らかに被害者がいるのに誰も加害
責任を取らない社会状況が常態化しています。その責任は歯止め役の三者にもあ
ります。加害者を庇うという幇助の罪さえ犯しているのではないでしょうか? 
裁判所は三権分立を反故とし法務官僚化しているのではないでしょうか? 法は
国家や経済産業界のためにあるのではなく主権者のために存在するものと信じま
す。どうか裁判所には初心に戻り法の理念を具現化していただきたいと願ってや
みません。
原発差し止め訴訟は玄海原発だけではなく川内・大飯・高浜・伊方でも継続して
いるものと思います。福島第一原発事故以降、状況が変わり経験に則して新しい
知見や学説も生まれました。新しい学説や科学的知見が出るということはそれま
での定説も仮説のひとつに帰すということです。地震学会や低線量被曝等の新し
い知見が出た以上、予防原則に基づくリスク回避をするのが国民の生命や財産を
守るために国が取るべき唯一の措置です。
スポーツの世界であれば試合中反則が疑われれば試合を止めてジャッジをします。
裁判もジャッジです。少なくともジャッジに入った時は試合つまり原発を止めて
審議すべきです。
水俣の有機水銀汚染もあれだけ被害が広がってしまったのは、1956年に水俣病公
式確認をしながら、他方で1968年の政府による公害認定までの12年間チッソの排
水を止めることなく垂れ流しを放置したからです。
以上のことを踏まえ裁判官の皆様におかれましてはどうか過去の権力に擦り寄っ
た判決などに縛られることなく裁判官としての理性と良心にもとづき公明正大な
ご判断をお願いいたします。

<発行先>
〒840-0825 佐賀市中央本町1-10ニュー寺元ビル3階 
佐賀中央法律事務所気付
TEL0952-25-3121/FAX0952-25-3123
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