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2020年01月19日22:57

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検証・メディア     暴力の応酬で緊張が高まる西アジア情勢 NHKは国際法に無関心  Bark at Illusions

 日刊ベリタ記事の転載です。
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=202001192148070






2020年01月19日21時48分掲載  無料記事  印刷用

検証・メディア

暴力の応酬で緊張が高まる西アジア情勢 NHKは国際法に無関心  Bark at Illusions


 米国政府がイラクのバグダッド国際空港でイラン革命防衛隊のガーセム・ソレイマーニー司令官を爆殺し、イラン政府はその報復として米軍が駐留するイラク国内の軍事施設をミサイルで攻撃した。新年早々、一気に緊張が高まった西アジア情勢に関する報道で、特に気になったのは、NHKが国際法に全く関心がないことだ。

 国連憲章で武力行使が認められるのは、国連安保理の承認がある場合か自衛権の行使 による場合に限られる。後者については、急迫不正な侵害があり、その侵害を排除する上で他に手段がない場合に、必要最小限度の実力行使を行うことが認められている。
米国のドナルド・トランプ大統領は「自衛」のためにソレイマーニーを暗殺したと主張しているが、自衛権を行使する条件を満たしていたことを証明できずにいる。それもそのはずで、イラクのアーディル・アブドルマフディ首相が議会で証言したところによると、当時ソレイマーニーは和平交渉のためにバグダッドを訪れていた。

 アブドルマフディは、

「米軍の攻撃を受けた日はイランとサウジアラビアの関係修復の仲介役として、サウジ側のメッセージをイランに送り、それに対するイラン側の返事をソレイマニ司令官から受けとる予定であったことを議会で証言した。
ソレイマニ司令官が殺害されたのは、サウジへの返書をイラクの首相に渡すためにバグダッドを訪れた直後であり、米国の空爆による司令官殺害は『防衛措置』どころか、両国の和平の機会を潰したことを意味する」(長周20/1/9)

 自衛のためだったというトランプの主張は詭弁であり、米国政府の武力行使が国際法違反であることは明らかだ。

 それにもかかわらず、NHKの主要ニュース番組であるニュース7とニュースウオッチ9は、ソレイマーニーの暗殺事件以降、西アジア情勢を伝えるニュースの中で、国際法には一度も言及していない(1月15日現在)。米国議会からもその正当性を疑問視する声が出ているにもかかわらず、ニュース7とニュースウオッチ9は、アメリカ人に対する攻撃を防ぐためにソレイマーニーを殺害したと主張して武力行使の正当性を訴えるトランプやトランプ政権の説明を繰り返し伝えるだけで、一度もその主張に疑義を呈していない。

 またイラン政府による報復攻撃についても、NHKは国際法という観点から評価をしていない。
 米国政府のイラン核合意離脱に始まり、違法な武力行使で他国の軍隊の司令官を暗殺するという米国政府の戦争犯罪によって高まった現在の西アジア情勢の緊張の責任をイラン政府に帰することはできないが、イラン政府による報復攻撃もやはり国際法違反だろう。イラン政府は「自衛権の行使」だと主張しているが、トランプがソレイマーニー暗殺後、「戦争を求めていない」と述べ、イランが報復するなら「直ちに激しく攻撃する」と警告していた状況で、イランが報復攻撃を行えば更なる事態悪化を招く恐れこそあれ、当時イランが自衛権を行使しなければならないような差し迫った脅威に直面していたとは考えられない。

 米国政府によるソレイマーニー暗殺やイラン政府の報復攻撃による緊張の高まりが、大規模な戦争につながる可能性があることはNHKも伝えていた。米国とイランの暴力の応酬を阻止し、西アジアと世界の平和を願うなら、戦争を防ぐために在る国際法を無視してどうする。



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