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2020年08月29日14:24

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漫画会館見学

昨日漫画会館に見学に行って来ました。
漫画会館はさいたま市にあり、全国で初めて1966年(昭和41)に出来た公立漫画専門館でもあるそうです。

漫画会館と名乗ってはいますが、北沢楽天の展示館です。
北沢楽天と聞いても分かる人は相当少ないと思います。明治期から昭和戦前にかけて活躍をした漫画家です。
漫画と言っても現在のようなコマ割りのされたストーリー漫画ではなく、新聞に載る1コマの風刺漫画をメインに書いた人です。この原稿料で生活をしたことで日本最初の漫画家とも言われています。
現在で言うとイラストレーターに近いのかもしれません。
1905年(明治38)には東京パックと言うフルカラーの風刺漫画雑誌も刊行しています。
手塚治虫も北沢楽天の雑誌を所有していたそうですので遠からず影響を与えているはずです。

そう言えば最近は新聞は風刺の1コマ漫画っていつの間にか無くなりましたね。政治家に個性が無くなって書きにくくなったなどの原因もあるのでしょうが、他のメディアに押されたと言うのが本当の所でしょうね。北沢楽天が描いていた明治期は新聞は新しいメディアですが、現在では古いメディアですから。

現地に着くと「本当にここ?」と言う程小さいです。住宅街の中にひっそりとあると言う感じなので気を付けないと見落としそうです。元々は北沢楽天の住居跡に建てられたそうなので小さいのも納得がいきます。

入場すると中は展示室が2部屋と楽天のアトリエを再現した部屋が1部屋。もっと原稿の展示物が多いかと思っていたのですが、原稿の展示物はわずかでした。それ以外はどんな経歴だったかの足跡をたどる物のみでした。

数少ない原稿を見るとカラーで描かれた原稿でした。面白かったのはこの時代の原稿ですでにトンボが入っている事です。
トンボとは印刷用語で、四隅と中央に入っているどこまで印刷されるかの基準線の事です。(写真2参照)
ただ入っているトンボは四隅の角トンボは入っておらず、中央のセンタートンボのみが入っているのです。これは原稿の断ち切りを示すのではなく、カラー原稿なので製販時に各色版を合わせるためのトンボなのかもしれません。

また大正モダンを描いた女性の絵と言うと帽子をかぶって片目が隠れていて首に巻いたストールに手をあて、もう片手は腰に手を置いている立ち姿のポーズと言うテンプレがありますが(写真3参照)、北沢楽天がこの構図で描いたものがあり、ひょっとしたらこれが大元なのかもしれません。

2階は図書室になっていて、自由に読む事ができます。北沢楽天の物ではなく、最新の漫画から古いのは1960年代後半くらいまでの漫画が約8000冊ほどあります。
何を基準に選んでいるのか分からない程ジャンルや統一感はありません。ここでしか読めないような貴重な漫画がある訳でもありませんでした。自由に読めるのだから貴重な本は置いておけないのでしょう。どのような本が置いてあるかはHPからファイルをダウンロードする事が出来ます。
https://www.city.saitama.jp/004/005/002/003/001/001/p008700.html
ですが見学時はコロナウイルスの影響で図書室には入れませんでした。

施設自体が小さい上に展示物も少なかったので、あっと言う間に見終わってしまいます。
図書室に入って漫画を読む事が出来れば感想は変わるのかもしれませんが、かなり期待外れな感じでした。
今までの見学の中では一番小ぶりでした。
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