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2021年10月11日18:31

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クロヒメトゲムシ

 クロヒメトゲムシは、エノキ、ムクノキ、イイギリ、クスノキなどの広葉樹やモミ(針葉樹)の樹液に来ることが知られている。

 自分は数頭のクロヒメトゲムシを5月上旬にクヌギの樹液で見つけた(↓画像再掲)。このときは、ケシキスイ類の数はまだ少なかった。
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 6月以降になるとクヌギの樹液は夥しい数のケシキスイ類で占拠されるようになり、6−9月の間はクヌギではクロヒメトゲムシの姿はなくなる(これまで見たことがない)。

 とすると、ケシキスイ類の数が減る10月になれば、クロヒメトゲムシはまたこのクヌギの樹液にやって来るのではないか。この仮説を実証するために、昨日、そのクヌギを見に行ってみた。

 一年間のうち長い期間にわたり、幹から樹液を滲ませる貴重なクヌギ↓(画像中央)。
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 まだ樹液は出ていて、案の定ケシキスイ類はほとんどいなくなっていた。しかし、案に相違して、クロヒメトゲムシの姿もなかった。
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 残念ながら、仮説は成り立たないようだ。

 そこで、科博のN村氏がクロヒメトゲムシを採集したとかつて報告した、同じ緑地内のイイギリの様子を見に行ってみた。自分はこの場所でイイギリの樹液に付くクロヒメトゲムシを見たことがなかった。

 イイギリは数本あったが、幹から樹液を滲ませているのは、この大木だけ↓。
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 しかし、幹の樹液には何もいない。
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 ふと、根元の穴から樹液が浸み出ているのに気づく↓。
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 穴の中を覗くと、多数のクロヒメトゲムシ。
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 穴の外に居た1頭だけ採集↓。
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 ここでのクロヒメトゲムシの一群は、このイイギリの樹液で満足し、クヌギにわざわざ行かなくてもよい、ということだろうか。とすると、もしかしたら5月上旬の時点ではイイギリに樹液はなく、彼らにはクヌギの樹液しか選択肢がなかったのだろうか。

 来年に向けたプチ宿題が増えた。虫の行動原理なんて所詮分かりようがないのだけれど。
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