mixiユーザー(id:4991516)

2019年12月16日21:25

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移入種

 「外来種」は人為の作用(意図的か否かを問わない。むしろ意図を伴わない場合の方が圧倒的に多い)によって外の地域から入ってきた種のことを指すが、「移入種」は人為に限らず自然発生的な理由(自力以外には、台風、流木など)により外の地域から入ってきた種を含む。

 このあたりの用語は、厳密に議論を始めると少々ややこしい。日本国内にもともといなかったため外来種として扱われている虫が、国内の他の地域に自然発生的に入り込んだ場合にも、やはり外来種となる。

 外来種としてもともと九州に定着していたキマダラカメムシは、東京都区内においてここ2年ほどで急激に増えた。西から東進してきたのであるが、東京には飛び地的に侵入したのではなく西から順々と各県をまたいで侵入してきたのだとすれば、基本的に自力で分布を拡大してきたのだろうか。キマダラカメムシのこの突然の進撃について、おそらく理由を解明することは難しい。
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 外来種に限らず、国産種でも分布を突然拡大して特定の地域への移入種となる場合がある。ホンドトビイロクチキムシは、自分が雑甲虫に関心を持つ前の2008年頃まで東京都で記録がなかったのに、2009年以降の自分の観察では、都区部においてごく普通に見られる。過去の記録を信じるとすれば、ある時点で分布を拡大して東京に侵入し、直ちに爆発的に増えたこととなる。
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 特定の虫の分布が偏っているのは、食草や競合種の存在、耐寒性、移動可能性など、それぞれに生態上の理由があるものと考えられる。しかし、例えばチビクワガタなどは生態からみて何故関西に普通に居て関東に普通に居ないのか、よく分からない。そのような虫の中には、ある時突如何らかのスイッチが入って、自力で分布を拡大し始めることもあるのだろう。
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