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2019年01月16日21:57

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今さらモバイル音楽ツールを語る:AQ Interactive「KORG DS-10」delta

(↓  gamma より承前)

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●その他特記事項

で、けっきょく私は何してるかと言うと、やっぱ変な音やフレーズばっかりつくって、ちーとも曲を作らないのよねん。やはり私は音色の人であって、作曲の人ではなかったのだ。

でも DS-10 は充分に面白いし、いつでもどこでも隙間時間を有効活用できる感覚は、あたらしい。さくっと起動、ちょちょいと操作してセーヴ、すぐ電源オフ。で、また思いついたら、また起動。このくりかえし。便利である。なんせモバイルすぎて、ポケットに全世界が入ってしまう! なので、出先でちょろっと作業を進めることができる。電車で移動中とかでも、できてしまう。この隙間時間の有効活用、これはこのあと、スマホを筆頭に、ずいぶんといろいろモバイルギアなデバイスが出てきたおかげで、すっかり当たり前の日常にまで定着した。

それこそ、こんなカラフルなタッチパネルで、ヴァーチャルアナログシンセやらリズムマシンやらステップシーケンサーやらエフェクトやら XY パッドまで完備したマイクロ・スタジオをまるまる操作し、音創りし、作曲するなんて、それもこんなカジュアルなゲーム機やらモバイルギアでできるなんて、前世紀なら想像もつかなかった SF そこのけの世界。
しかも DS をひらいたカタチが、また MS-10 っぽいのに、そこへパロディのように MS-10 そこのけな画面表示と、実際にヴァーチャルアナログなソフトシンセという、未来テクノロジーによる過去の温故知新。
それが今、もはやあたりまえすぎて、誰も驚かなくなった。21 世紀のあたりまえは、すごすぎる。

基本的にはお遊びツールなのだが、そのわりにヲタな仕様で奥が深い。入手するまで完全にナメていたが、ひとたびいろいろ追究してみると、意外に可能性が多くて驚く。これ1台だけでいろんな名曲をカヴァーしている人までおり、それこそ戦メリをこれだけでやっている人もいたりする。
なんせ1ステップずつパンニングや音色パラメを変化できるから、プロにしたって DAW のサブツールとしてループ素材ネタをつくるのにも、うってつけ。

とにかく切手サイズの小さなカードにこれだけの仕様と音色との可能性を凝縮し、お小遣いでも買える値段で売り出し、おもちゃをミニ DAW かグルーヴボックスに変えてしまえる敷居の低さに、隔世の感がある。フリーウェアの DAW もある昨今、ソフトであれハードであれ高性能のシンセやワークステーションが、猛烈な勢いで、それこそ加速度的に入手しやすくなってきた。

そんなわけで今や初心者でも、高度なツールが安価で簡単に入手でき、一見、シンセへの敷居はぐっと下ったように見える。だが、ほんとうにそうか?

まぁ、どんなシンセでも、なんも知らんド素人が弾いてもそれなりに楽しめるものだが、やはりある程度は知識が無いと使いこなせない部分もあり、DS-10 も例外ではない。楽器が弾けるというのと、シンセを使いこなせるというのとでは、根本的な違いがある。だからかつては音色ひとつつくるのにも苦労し、その道の専門職たるシンセサイザー・プログラマーとかマニュピレーターなんていう職業が生まれたくらい。そして今そのシンセやシーケンスなどのプログラミング能力が、特権階級のものだけでなく万人のものへと民主化しつつある中、最後のフロンティアのひとつであると同時にそこを開拓する尖兵が、この DS-10 なのだ。

たしかに DS-10 のデモ曲にあわせてカオスパッド画面を適当にいじっているだけで、初心者でも楽しむことくらいはできよう。しかしそれだけに終始すると、けっきょく飽きてしまう可能性が大きい。DS-10 のようなお遊びツールでも、音創りやシーケンシングを楽しもうと思ったら、やっぱ減算方式シンセシスとシーケンサーの基礎知識、つまりピアノロール画面とか TR-808 方式のリズム打ち込み方法の知識くらいは持ち合わせてないと、系統だっては実現できないものである。そのための探究心と時間があるかどうかで、DS-10 を使いこなせるかどうかが決まる。逆に、ひとたびそれらを会得すれば、今までリスナーであった人でも、トラックメイカーになれる。そんな素質をもった天才肌な人もいるだろう。
この点で、DS-10 は初心者フレンドリーな価格のわりに、骨太で本格派な仕様のワークステーションと言えよう。この難しさ本格派さは、パッチパネルやクロス変調、ピッチ可変ノイズにハードシンクなど、こだわりのシンセシスが搭載されていることもさることながら、ひとつにはシーケンサーが内蔵されているからであり、徹底して最小限の音創りにのみ特化した「削ぎ落としの美学」学研 SX-150 と異なる点である。しかもシーケンサーが無ければ、タッチスクリーン1つだけで音創りするのも至難のわざだっただろうから、シーケンサーの存在は必要不可欠と言える。

やはり DS-10 では、シンセではなくシーケンサーこそが本質。

音創りすらシーケンサー無しでは非現実的なのであり、しかもリアルタイム入力ではなくステップ入力とイベント・エディットに力点を置いたシーケンサーは DS-10 の本質であり、そしてそれを現実的なものにしたのは、グラフィック表示可能なタッチスクリーンであろう。SX-150 には表示板が一切無いから、凝ったシーケンシングも不可能だったのだ。
必然的に、DS-10 はシーケンサーを多用する人に向いていると言えよう。そのついでにキーボード画面でも弾けますよ、と。そしてこのシーケンサーが理解できるかどうかで、DS-10 が福音となるかどうかが決まる。正直、理解できない人も多いだろうが、ひとたび画面を見せながら実演デモすれば、感覚的にわかるかも。

だいたい TB-303 のアシッドフレーズは、あの使いにくい変態シーケンサーがあってこそ。だから音源部ばっかり真似ても、本質を突いていない。音色を真似ることにばかり腐心していた凡百の 303 クローンの中で、はじめてそのことを見抜いたのがスウェーデン propellerheads 社によるソフトウェア ReBirth RB-338 であった。そして、ReBirth は PC/Mac を越え、iPad アプリにまでなった。

さらに DS-10 のシーケンサーは、同期演奏できる。
同期できるシーケンサーによる恩恵は、もとはといえば歴史のいたずらから元祖グルボとなってしまった TB-303 / TR-808 がそうだったのであり、それは DS-10 のみならず、のちのソフトウェア KORG Gadget や、それと対をなすハードウェア korg volca にも通じるところであり、しかもそれを、ゲームというプラットフォームでもって、シンセ然としない親しみやすいカタチで、おまけに寝っ転がってもつながれるワイアレスという、おもっきし敷居を低くフレンドリーにした空気のような自由さが、DS-10。

USB も MIDI にも対応してないが、それを言い出せば TB-303 もそう。DS-10 は、閉じた宇宙ではあるが、きわめて刺激的で創造性が高いミクロコスモス。

せやかてシンセって、なんかアピアランスからして超越した感じで、とっつきにくそうやん。

その本格派な一方で、DS-10 はソングが最大 100 小節までのみであるなど仕様に限界も多く、これ1台であらゆるジャンルのどんな楽曲制作もこなせるとは言い切れないなど、バランス感覚に苦慮したと思われる点も多々散見される。いくら本格派とはいえ、ミニマルなテクノをつくるには比較的つかいやすい仕様になっているが、そうでないトラッドな作品をつくりたい場合は、どうしても複数台を用意するか、はたまた DS-10 のあとに出てきたスマホやタブレットに DAW 仕込んで移動中も曲作りするほうが、楽につくれる。事実、DS-10 より3年あとの 2011 年3月に発表された iOS 版ガレバンは、最初、マルチトラック同時録音もできない簡易ツールだったが、今やこれひとつでたいがいのことはできる DAW にまで成長した。

そんな中、DS-10 の存在意義は、スマホより先に、そしてスマホの時代が来てもまだスマホを持っていない人たちに、誰もが持っているであろうゲーム機を経由してヲタなグルボやヴァーチャルアナログシンセを持ち込んだことでシンセの存在をぐぅーんと万人向けに身近にしたこと。
あるいは逆に私のように DS-10 を買うために NINTENDO DS を買ってカミさん向けに料理ナビ・ソフトまで買うようになったということ。
つまりシンセ好きに対しゲーム感覚で楽しめるツールを提供することで任天堂ソフト・ワールドへの招待状としたことにあるのではないか。

はじめにゲームあり。
はじめにゲーム機あり。
スマホが無い時代、スマホが無い世界に、ゲーム機ありき。

そして驚かされるのは、限界の多い仕様であるにもかかわらず、それを乗り越え、ちまちまと音創りや曲作りする裏技の数々を編み出している職人芸な人が、とても多いこと。そして彼らがネット上で、おたがいのノウハウや作った音や曲を公開しあい、一つのネット社会現象にまで発展していること。
この盛り上がりも実はシーケンサーを内蔵しているからであり、すなわち音創りも曲作りも共にできるからであり、鍵盤すら持たず音創りにのみストイックにこだわった SX-150 とは異なる点であろう。
学研 SX-150 は、音創りヲタはもちろん、サーキットベンディング・ヲタのこころを、くすぐったのかもしれない。
そして DS-10 は、かつて隆盛を極めた DTM 打ち込みだましいを、すなわち限られたパラメーターでの音創りや打ち込みシーケンシングの匠のわざを、ネットの波に乗って現代によみがえらせたのかもしれない。この点で、DS-10 の流行は、初音ミクによる打ち込み DTM の再来と似ているのかもしれない。DAW が普及し、オーディオデータを切った貼ったする人が多い今、ひとつひとつの音符をちまちま打ち込んで全パート MIDI データのみでまかない、それもゼロから作成する人は、最近少なくなった。'90年代の日本ではパソコンのかたわらに GM / GS / XG 音源モジュールを置き、MIDI シーケンスソフトで打ち込むのが流行したが、そのときに青春をついやしたおっさん連中が、ゼロ年代も終わりつつある DAW 全盛期な時になって、再び打ち込み文化に燃えはじめた、というところか? そしてその打ち込み音楽の再来が、初音ミクであり、DS-10 とも言えるのではないか。
2007 年8月 31 日:初音ミク発売
2008 年7月 24 日:DS-10 発売

DAW 時代に、古式ゆかしい DTM シーケンスプログラミング時代の再来か。

また Kaossilator 以来、コルグが提唱している「スタイラス・ミュージック」は、和音が弾けないという弱点があるが、それをマニアックなモノシンセに仕様を限定させたり、ループ・シーケンサーを搭載させたりして、カバーしているあたり、ここでも割り切りの美学はさすがである。
しかも Kaossilator と違い、DS-10 は凝った音創りとシーケンシングができるところが秀逸。ひとたびシンセとシーケンサーの基礎知識さえ獲得できれば奥が深いので、飽きさせない。これもやはり NINTENDO DS という、グラフィック表示可能なタッチスクリーンを持ったデバイスに乗っかっているという点が大きい。分かりやすい表示画面とユーザーインターフェイスとが無ければ、凝った音創りも打ち込みも不可能だからだ。

グラフィック表示可能なタッチスクリーンにささえられ、いつでもどこでも使える電池駆動モバイル・ワークステーション。しかも往年の名機を参考にしつつもクラブシーンにふさわしい仕様。おまけにアマゾンで簡単にポチれる、お安い価格。そんなわけでか、DS-10 ユーザーは、かつて MS-10 で宅録に燃えた古参から、'90年代 DTM に燃えたおっさんから、ナウなヤングにバカウケしたトレンディーなトラックメーカーなど、幅広いユーザーがいるらしい。

さぁここまで来ると、次のプラットフォームが見えてくる。

スマホ、タブレット。

初代 DS が発売されたのは、2004 年の年末のこと。
初代 iPhone が発売されたのは、DS に遅れること2年半後の 2007 年6月 29 日だが、米国のみ。日本での発売は、さらに1年後の 2008 年7月における後継機種発売まで待たねばならず、このとき同時に App Store も誕生、Apple 社以外のアプリもダウンロード販売できるようになった。
そして同じ 2008 年7月に、この DS-10 が、日本で先行発売されている。
1年半後の 2010 年1月には、初代 iPad が発表。
前述の通り 2011 年3月には、ガレバンが iOS 版へと移植されることがアナウンスされた。

以来、iPhone / iPad を中心に、楽器や DAW、シーケンサーなどのアプリが席巻するようになる。
初代 iPad のアナウンスと同時にコルグは iElectribe をアナウンスしており、アップル社と緊密に連携して開発していたことが分かる。

DS-10 以来、シンセは、これまでの楽器然とした姿や、クロック周波数にメモリ/ストレージ空間などばかり追い求める姿を超え、iPhone のように気軽な、シンプルでわかりやすく明快な、あたらしい形態をいろいろさまざまに生み出してきた。それは単にモバイルであるだけでなく、さまざまな iOS アプリなどに見られるように、単機能で明快であることが、秘訣なのであろう。
iOS デバイス以外のモバイルギアも出るようになり、たとえば ’09 年春には携帯電話キャリアの au 名義で、CASIO からタッチパネル鍵盤で GM 音源とおぼしきプリセット音色を弾けてシーケンス録音までできてしまうガラケーな携帯電話 CA001 が発売されている。これはカシオなのに商売敵のヤマハの音源チップを使っており、固定観念を越えた技術提携といえよう。iPhone にもサムスンのチップが使われ、業界は単なる敵味方に分けられない、複雑な関係を呈するようになった。
そんな中で DS-10 は、簡易な機能だけに甘んじることなくヲタな仕様まで搭載してしまい、ディープなのに音楽できてしまうところが、あたらしい。たしかに鍵盤までタッチスクリーンにしてしまって和音もタッチセンスも省いたところを考えれば、これらの例は演奏重視の設計とは言えず、もはや楽器ではなくツールなのかもしれない。つまり操作に独特の流儀があるので、弾ける人にとっては慣れが必要だが、弾けない人にとっては、むしろ道が近い。弾ける人にとっては、運指によるフィジカルな鍵盤感覚が重要なはたらきをするが、狭いタッチパネルでは無理。そのかわり弾けない人には、かえって慣れやすい。そして、あたらしいモバイル感覚で音楽ができてしまうところは、とても新鮮。音創りや曲創りを、今までになく、かつてなく低い敷居にまで引き下げ、とても身近なものにしてしまう。


さらに DS-10 は、雑誌広告もテレビ CM も無く、宣伝活動はネット上の公式サイトでしか行われず、あとはユーザーが自発的に YouTube やニコ動や2ちゃんなどに作品をアップし、それがまた話題を呼んで広まるという初音ミクにも似た広まり方も、ゼロ年代の終わりならでは。そして DS-10 だけをネタにしたファン・イベントやオフ会が行われ、SNS 上でもイベント告知が行われ、CD 制作販売や音楽配信まで行われる。特定の機種に限定したムーヴメントが起きるというこれらの現象も、DS-10 自体が話題性を呼ぶアイテムだったからこそ可能だったことであろう。すなわち
「あのニンテンドーDSを MS-10 に変えてしまう」
という、ひょっとして誤解や都市伝説をも手に取った一言だけが流布したおかげであろう。

ネット時代、誤解されて生じたフェイクニュースが、逆にヴァイラルになり都市伝説となって人を動かす。

モバイルギアは、パソコンにとってかわる存在となりつつある。DS-10 が出たころにはまだ想像しにくかったが、すでに今ではパソコンを使わず、スマホだけでレポート作成からなにから過ごす学生が多く、既存の楽器とは別個に、モバイルな音楽ツールもまた、今では考えられないくらいあたりまえに、空気のようにあたりまえに身近にまとう存在となっている。
ただ、この DS-10 が出たばかりの当時、それを楽器と呼んでいいのかと言うと、手ざわりの良いセンシティヴな楽器とは一線を画した存在になるように思えた。むしろ、どこでも使える手軽さを身上とするモバイル・ツール、といったところか。すでに iPhone などが存在していたとはいえ、小さなスクリーンではまだまだ出来ることも、当時は箱庭宇宙であった。
それが実際にセンシティヴな楽器としてのポテンシャルを明確に発揮しはじめたのは、2010 年1月の初代 iPad 発売と、それに合わせて登場したコルグ iElectribe からである。大きなマルチタッチパネルという利点は、それまでのモバイルギアの固定観念を、根底からくつがえしたと言って良い。

そして、DS をプラットフォームにしたシンセも、このあと、2009 年9月には DS-10 にソング再生中のエディットや、DS-10 ×2台分の音源となるモノシンセ4台とリズム8パートとを搭載した改良版 DS-10 PLUS、2010 年8月には音創りを放棄したかわりにコルグ M1 と 01/W とのプリセット音色を満載し曲づくりのみに特化した DTM ソフト KORG M01、そして 2014 年6月に DS の後継ゲーム機として登場した Nintendo 3DS 専用に、世界初 3D オシロスコープ / リサジュー表示可能なヴァーチャルアナログシンセ DSN-12 へと続く。このオシロ機能は、のちにコルグからの単体アナログシンセ minilogue にて引き継がれるアメニティとなる。

その一方で、DS 向けソフトウェア・シンセをいろいろ出してきた Detune 社が、新しく放ったのが、本稿 DS-10 の進化版を iOS に乗せてしまったという iDS-10、その名も Mobile Synth World。
2015 年 12 月1日に発売されたこの iOS アプリシンセは、ヴァーチャルアナログのモノシンセ2台、新開発のボイスシンセ、パートごとに特化したパラメーターを持つ6パートのリズムマシン、DS-10 の 16 ステップ / 16 パターンから大きく増強された 64 ステップ / 32 パターン仕様のステップシーケンサー、もはやお約束のオシロ、そして使えば使うほどに進展する謎のビンゴゲームまでついてくる。音色的には、ボイスシンセが非常におもしろく、自分が喋った声をサンプリングしヴォコーダー声に変換、キーボード画面で演奏までできてしまうので、ミクみたいなヴォーカルトラックつきの曲が、しかも自分が地声で歌詞を普通に会話するようにしゃべるだけでできてしまう。

さらには、DS 亡きあと、Wii の次をゆく次世代ゲーム機たるデバイスとして登場した Nintendo Switch にて動く、かなり変な DAW アプリが登場する。
2017 年 11 月1日、KORG Gadget for Nintendo Switch がアナウンス
2018 年4月 26 日、KORG Gadget for Nintendo Switch がリリース
それまでの KORG Gadget を、ゲーム機に移植した、と思いがちだが、これは、今までにない、まったくあたらしい存在。なんせ iOS 版や Mac 版など他の KORG Gadget とはデータ互換しない! あいかわらず、USB も MIDI も関係ない! SMF やオーディオファイルのインポート / エクスポートも無い! あいもかわず DS-10 そのまんまに、これだけで自己完結したミクロコスモス!
それでもなお、今度こそほんとうにゲーム機上で、誰でも簡単に音創り曲作りが行えるようになったばかりか、4人のメンバーでノートを消しあったりしながら時間限定で曲をつくったりするなど、ゲームの文脈に即した世にも珍しい対戦型 DAW となった。

ゲーム機とシンセ、ゲーム機と DAW は、スマホアプリとも違う、従来のどれとも異なる、根本的にあたらしい独自の境地へと踏み込みつつある。
この、新世代ではなく、新種の、新種のカタチと創作との誕生。今までトラックメイキングなんて想像もしなかった、あたらしいユーザー層。それは、楽器とは違う、未来への胎動である。


さて、化石人間のわたしゃ、せひ DS-10 をバージョンアップさせて、NINTENDO DS 内蔵マイクをつかった鼻歌入力と簡易ローファイ・サンプラー、そしてぜひかつての隠れた名機コルグ DS-8 を再現し名誉挽回の4オペ2アルゴリズムの FM シンセと併用できるように、してほしいねん。EG はグラフィック表示を直接ペンで変形させれるようにして、アナログシンセの音とサンプラーの音が共存できれば、かつて私がスルーしてしまった「テクノデリックごっこ」もできる。どうせ音は原音には似せれないんだから、似て無くてもいい音にすればいい。Fairlight CMI だって、原音からかけ離れた8bit サンプリングで Art of Noise を生み出したではないか。おっさんの妄想は果てしない。

DS-10 で戦メリやってるすげーひと



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