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2019年10月16日11:12

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「ノクターナル・アニマルズ」

「ノクターナル・アニマルズ」
上流階級の女主人公の元に、20年前に離婚した元夫から自作小説が届く。元夫は小説家志望だったが売れないので捨てた。しかし届いた小説は暴力的だが面白く彼女は読みふけり元夫に会いに行くがまちぼうけ。小説の内容はドライブ中に暴漢に妻子を殺され警察に捕まった犯人を殺し自分も死ぬ話。映画は現在と過去と小説の内容とが並行。トム・フォード監督。
元夫の目的は色々解釈が可能。復讐の話と冒頭に出るが今更だしどうだろう。
作家の業として解釈すると。作家は自分の経験は良くも悪くも創作のこやしにする。書くことで昇華する。しかし、実録やエッセイでなく小説にするなら、経験であれ普遍的な域に到達してなければならない。他人事でなく読者が自分に引き寄せられる作品でなければならない。モデル本人も面白いと思ったなら大成功。うまく小説に昇華できたといえる。それを測ってたのかも。
太宰治の走れ「メロス」、レイ・ブラッドベリの題名は忘れたけどモデルのいる嫌な映画監督が館の魔女の犠牲になる話。スティーブン・キングのガソリンスタンドでボラれた話。事実からネタにした話は感情にリアリティがあって面白い。実際の出来事をそのまま書けばエッセイ。小説はそれをネタにしつつもその先に展開する。
ブラッドベリ曰く、「嫌いなものを10個書き出して、それをストーリーなり詩のなりの中でやっつけろ。好きなものを10個書き出して、それを誉めあげろ」
それが小説家。ノクターナルの元夫その後は元妻の反応を見ていけると踏み、自信を持って、イヤミスを書く小説家になりましたエンドかもしれず。

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