志村けんさん、今までありがとう。

今日1日、これだけの喪失感に襲われたのは西城秀樹さんの訃報の時以来かもしれない。

志村けんさんがまだドリフの見習いだった時期に「全員集合」に毎回出演して、1974年3月に数ヶ月前から脱退が決まってた故・荒井注さんと交替した時は、既にメンバーの一員になることは必然的だった。

「全員集合」でも「東村山音頭」や「カラスの勝手でしょ」とか「ヒゲダンス」とか、大ヒットギャクを連発して、僅か2年足らずで、それまでの一番人気だった加藤茶さんをその頃には抜いてたと思う。

「全員集合」がなくなって「カトちゃんケンちゃん」や「バカ殿」「だいじょうぶだぁ」といろんな冠番組を生み出し、今年1月に放送した「バカ殿」も今月初めに放送した「だいじうぶだぁ」もレギュラーメンバーは交替したとはいえ、30年以上も同じギャグを継承し、それがまったく飽きさせないし、枯れてないというセンスはもはやこの人の独特の持ち味やからやと思う。
そんなコメディアンってこれまでいたやろか？

志村さんが洋楽好きだったことはあまりにも有名で、ドリフターズがビートルズの前座で武道館に出ていた時に客席にいた。
チケットは落選したけど「自分の方がビートルズをお前よりよく知ってる」と豪語し高校の友人からチケットをむりやり譲ってもらったらしい。

ソウルミュージックも好きで「ヒゲダンス」はテディ・ペンダーグラスの曲をヒントにアレンジしたものだし、かつてスティービー・ワンダーのレコードレビューも雑誌に載せてたほどだった。

先週コロナに感染で入院、人工肺装着、意識も混とんとした状態で病状はよくないことが報道されてたが、必ず回復し、復帰すると信じてたし、今日から始まったの朝ドラ出演も楽しみにしてただけに、残念でならないし、ただただ悲しい。

病床から「コロナを舐めるな！」を若者に残した最後のメッセージのようにも思える。

「宝を奪ったコロナが憎い」と加藤茶さんのコメントが心に染みた。

引きこもるのはしんどいと思う、それでももし軽はずみな行動で取り返しがつかなくなってしまう事態を引き起こすこともある、イタリアの1ヵ月前が今の日本の状況とよく似ているということもアタマに入れてほしいし、ほんの少しの間がまんすればこれ以上の拡大は抑えられるかもしれない、いろんな番組観てて思いましたが、どこも一番伝えたかったのはそういうことやった。

心より志村けんさんのご冥福をお祈りします。