2019年7月14日(劇場鑑賞)
結論から逆算すると、こんな回りくどい誘拐事件は無い。
ハラハラはしないけど、関係者の肚の内が明らかになるにつれ嫌な気分にさせられることは間違いない。
物語は、南米から一族の結婚式のために帰ってきた孫娘の誘拐により歪んだ人間関係の全てが明らかになっていく様子を描く。
最初に、この映画の「秘密」の中心はハビエル・バルデムとペネロペ・クルスの過去の過ちにあるのですが、その秘密を実はハビエル・バルデム以外の村人達は察していたらしいというトンデモ設定は無理があると思いました。
しかし、結論から逆算すると犯人一味の計算は大当たりで、30万ユーロを得ることができたので良かったのではないでしょうか、多分捕まるけどね。
そんなことより、実の娘だと分かった途端、自分の家庭や財産を失ってまで事件解決に奔走するハビエル・バルデムに対し、私にはなぜそこまでするのか理解できなかったからです。
そりゃ、一度は愛し合った人の危機に助けてあげたいという心情は分かります。
でも、それは昔のことで今は公私に渡り様々な人の人生を背負う立場にあるのに、それら全てを昔の女の娘に捧げるのは納得できなかったです。
しかも、ペネロペ・クルスとその一族の人々は30万ユーロなんて無理、ハビエル・バルデムが何とかしてくれる的な雰囲気ムンムンで正直不快極まりなかったです。
※これも結論から逆算すると理解はできなくもない。
最後に、全てを失ってなお満足気にベットに横たわるハビエル・バルデムの姿は、「この男が後のアントン・シガーであった。」と脳内補正するほど狂気を湛えた笑顔でした。
胸糞悪い映画でした、犯人について何も触れませんでしたが正直映画の中でもその程度の扱いです。誰にもお勧めしません。
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