映画『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』を見てきました。（2020年1月24日公開）

映画『ナイト・オブ・シャドー 魔法拳』を見てきました。（2020年1月24日公開）


ジャッキー・チェンが日本に大ブームを巻き起こした『ドランクモンキー 酔拳』(78)。カンフー映画の定石を破る笑える演出でヒットし、『酔拳』の原型と呼ばれる『スネーキーモンキー 蛇拳』(78)。主演のみならず初監督･初脚本に挑んだ意欲作『クレージーモンキー 笑拳』(79)。これらジャッキーの原点である《拳映画シリーズ》を彷彿とさせる最新主演作。
　
　それは、筆を片手に邪悪な妖怪を退治する“魔法拳”!
　エキサイティングなアクションやファンの心をくすぐるコミカルな描写はもちろん、もともと定評のあったジャッキーの美声を今回も惜しみなく披露していました。文豪妖怪ハンターという役で、往年のジャッキー作品の流れを汲んだ真骨頂を見せてくれます。ジャッキーにしか実現しえない最新の《拳映画》がパワーアップして完全復活という触れ込みなんです。
　
　でも皆さん騙されてはいけませんぞぉ！
　“魔法拳”というのは実写では無理。その結果ほとんどのアクションシーンはＣＧで表現されることになってしまいました。これでは、アクションをあてに見に来たジャッキーのファンでもがっかりしてしまうでしょう。おまけに最新のVFX技術を使っている割には、画面がチープに見えてしまいます。お子様向け特撮作品や『妖怪ウォッチ』と大して変わらないなぁという感じでした。
　
　但し注目すべき点もありました。なんと本作のジャッキーは20代まで若返って登場していたのです。どうやっていたのでしょうか？実は、一切の特殊メイク無しでVFXを施していたのです。最新のVFX技術によって、若かりし頃の本人の顔を細部にわたって分析し繊細なレタッチを重ねることで、まさにタイムスリップしたかのように若々しいジャッキーの姿をよみがえらせることに成功していたのです。
　このムービーレタッチにより、完璧にジャッキーは20代にまで若返り、スクリーンに戻ってきてくれました。これならジャッキーファンにとって興奮を抑えきれない必見ものだろうとは思います。