やれたかも委員会

　　　　やれたかも委員会
久々に買ってしまおうかと思えるような素晴らしいドラマに出逢えたこのドラマ、とても優しいの。ひたすら優しいの。タイトルで損してる部分は大きいかなぁふざけてるし、下衆な下ネタ満載の嫌らしく下品なドラマだと敬遠する女性もいるんじゃなかろうかそうじゃないんだよなぁ。そうじゃないんだ。これはね、

人間賛歌のドラマ

劇中に頻繁に登場する『やれたかも』って言葉の向こう側というか、更に先にある意味が見えて来ると、絶対ハマると思う。別に『やれた』じゃなくてもいいんだ。『告白してたら』でもいい。あの時、告白出来ていたら？でもいい。果たしてそれで面白くなるかは別としてだね、何でもいいんだ。
この世に生きる男性諸氏なら漏れなく一度や二度は絶対に経験している『やれたかもしれないあの時』。意外とすんなりやれてしまったら、記憶になんか残っていないかもしれない。そして、やれたからどうだとか、やれなかったからどうだとか、何かが変わるとか、人生が変わるとか、そんなだいそれたものではない。でも、ふとした時に思い出して、甘酸っぱいような、ほろ苦いような気持になったり。流石にこの年になってしまうとそんな状況もないし、あったとしてももっとスマートに立ち回れるとは思うんだけど、その当時は・・・・


どうする、オレ！？

もう必死ッ！！色んな考えや思いが脳内で堂々巡りで、結局ヘタレてしまって・・・・若しくは選択を間違えて・・・・。青春ですな


さて。


このドラマ、8人の愛すべき男と、8人の魅惑的な女性、８組のペアが、甘酸っぱくもやきもきする『やれたかもしれない』ドラマを繰り広げます。その話を聞いて、やれたかやれなかったを多角的に検証してジャッジする『やれたかもしれない委員会』の３人が登場します。



ただ単にやれた、やれなかったをジャッジするだけではなくてね、その行き場のない想いに寄り添って、あの時成就出来なかった想いを昇華させるというか、救済するんです。
今となっては、その彼女の本当の気持ちなんて分かるはずもない。男だとか女だとか関係なく、自分以外の他者の本当の気持ちなんて分かりようがない。だから彼女が自分を受け入れようとしてくれていたのか、さらさらそんな気なんてなくて単なる一人相撲だったのか、いくら考えても答えの出ない迷宮で迷い続ける。
そこで背中をぽんと押して、あの時、彼女は貴方を受け入れようとしていたんですよ方法さえ間違わなければ、或いはほんの少しの勇気さえあれば、彼女は貴方を受け入れてくれていたんですよ

『やれたかもしれない夜を照らせるのは、やれたかもしれないという光だけ。』

心が温かくなる癒される。救われる。報われる。それだけで心は救われるんです。優しいんです。ひたすら優しいんです。最後、塾長が優しく言うんです。

『やれたかもしれない夜は、人生の宝です。生涯、大事になさってください。』

若干のネタバレになってしまうのですが、このドラマの秀逸なところは、最終話に女性の相談者が登場し、今までは男性の視点で描かれていたドラマが、逆に相手の女性の視点で描かれる事で、問いのない答え合わせというのかな？ほら、やれてたじゃん！！ってなるのが興味深いんだよね。この時ばかりは文句なく満場一致で『やれた』ストレート認定もっとも、彼女が『やりたかった』前提で話が進んでいきますからね、ご都合主義と言ってしまえば、それまでですがこれまでに登場した女性達も、世の中の全ての男性諸氏が、やれたかもしれないと思っている全ての甘酸っぱく、ほろ苦い全てのあの時は、やれていたんだという究極の救済ッ！！そう、天さんがやれたかもしれなけどやれなかった五十嵐絢子ちゃんも、きっとあの時同じ気持ちだったんだ・・・・











『あらゆる平行世界の中で、やれたかもしれない世界で暮らす全ての人々に祈りと祝福を』