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2020年01月20日20:07

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「FFXIV」紅桜(小説)

このお話は自キャラのシロガネとNPCのオボロのお話。
イチャイチャというよりもじもじ?もだもだ?じれったい?そんな感じのお話w

一応BLですので苦手な方はご注意くださいね〜!


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 年が明け、賑わいを見せるリムサ・ロミンサの一角。
 人々が行きかう街中で一組のカップルが歩いていたが、その様子はどこか初々しい。
 男の動きはどこかぎこちないし、女もまた、隣を歩いているもののそわそわとしていて落ち着きがなく…。
「あっ…」
「っ…」
 互いにちらちらを相手を見ていたので、時折目が合えば顔を赤くして顔をそらす始末。
 一見して付き合いたてなのだろうとわかる二人の様子を微笑ましく思う者もいれば、そうでない者もいて。


「……大丈夫ですか?」
 ベンチに腰掛け、隣に座った男の赤く晴れた頬を濡らしたハンカチで冷やしながらそう言ったのは、任務のため女装しているシロガネ。
「っ…あ、ああ。大丈夫だ。お主の方こそ、怪我はないか?」
 頬にハンカチがふれた瞬間、少々顔をゆがめたがすぐに表情を戻してシロガネを案じているのはオボロ。
「ええ、オボロ様が守ってくれたので…」
 二人は先にもあったとおり、任務のため変装をして街を歩いていたのだが…。
 情報にあった時間になってもターゲットは現れず、それどころか酔っ払いに絡まれ。挙句、なよなよした男のくせに女連れでいるのが気に食わないと暴力を振るわれた。
 街の中だけあってすぐさまその酔っぱらいはイエロージャケットに取り押さえられたが、殴られたことにかわりはないので休憩がてら治療をしている、というわけだ。
 殴られ痛々しい色をしているオボロの頬にハンカチを当てていたシロガネは、ふとあることを思い出し。
「あ、そうだ。チョットじっとしていてくださいね」
 そう言うと、人差し指を彼の頬に滑らせた。するとシロガネの指先に星の光が走り、オボロの頬から痛みが消え。
「おお…」
「違和感とか、ありません?」
「うむ、先ほどまでの痛みが嘘のように引いたぞ。今のは?」
 痛みのなくなった頬を触りながらオボロが尋ねると、シロガネは少し照れくさそうに笑って。
「最近、占星術を習い始めたんです…。その、こんな感じで、癒しの術、使えたら…貴方の役に、たてるかなって…思って…」
 後半になるほどその声は小さくなっていたが、オボロにはきちんと届いていて。
「…私の、ために?」
 頬を赤く染めたシロガネの手を取ったオボロの頬もまた赤く。
「シロガネ…」
「…オボロ様」
「っ!?」
 互いの名を呼び、見つめあった次の瞬間、シロガネはオボロに抱き着いていた。
「シ、シロ…!」
 そのことに驚いたオボロは慌てて体を離そうとしてたが、すぐあることに気付きシロガネの背にそっと腕を回す。
 そして、シロガネの頭を撫でるふりをしてその耳に装備しているリンクパールを起動させた。
『…来たか。何人いる?』
 すると、すぐさま向こう側…双剣士ギルドのマスターであるジャックが応答し。
「……ようやくお会いできました。貴方とお会いできなかったこの4ヵ月がどれほど長く感じたことか…」
 事前に打ち合わせていた通り、他人に聞かれても不自然ないように"離れ離れだった恋人同士が久方の逢瀬を喜んでいる"風を装い、会話に数字を織り交ぜ情報のやり取りをする。

 現れたのは4人、辺りを警戒しながら人気の少ない船着き場へ向かっている。
 1人は今回のターゲットである、非戦闘員の商人。
 そして残りはその護衛…、所持武器はそれぞれ斧とナックルと銃。術士がいる様子は見受けられないので、比較的楽に鎮圧できるだろう。

 ターゲットの向う方角から目的地を割り出したジャックたちから、そちらを抑えたとの連絡が入り。
 シロガネとオボロは闇にまぎれターゲットの行動を監視した。

 そして、人気の少ない桟橋に到着したターゲットが何やら合図を送ると。
 それに返事があり、現れたのは取引相手に扮したジャックたち。
 いくつか言葉を交わしたのち。
「ぺらぺらと供述ありがとよ!」
 と、正体を明かして驚き逃げようとした商人たちをあっという間に縛り上げていた。



「…ずいぶんと、あっけなかったでござるな」
 自分たちがターゲットの情報を得るため奔走していた時間にくらべ、ずいぶんとあっさり終わってしまった逮捕劇にオボロが言うと。
「お前たちのおかげでな」
 それに悪びれる様子もなくジャックが答え。
「任務も終わって年が明けて、めでたいこんな時はパーっと祝杯を!…っと行きたいところだが。いかんせん今回は相手が厄介なもんでな」
 しかしすぐに腰に手を当て大きなため息をつき。
「俺はお偉いさん方とちょっとばかし話し合いだ。お前たちをこれ以上拘束するのもなんだからな。今日はもう上がっていいぞ」
 続けて言われた言葉に、オボロとシロガネは顔を見合わせ軽く肩をすくめた。


 上がっていいと言われても、もうそれなりに遅い時間。簡単な露天はやっているものの店などは開いておらず、このまま帰路につくほかないという状態で。
 二人は長屋に帰るため、コスタ・デル・ソルへと向かい。月が照らす浜辺を眺めながらゆっくりと歩く。
 誰もいない街道を、二人並んでゆっくりと。

 船着き場で小舟に乗って、小川をさかのぼり。忍びたちが拠点としている平屋まであと少し。
 桟橋に設置された明かりが照らすそんな場所で。
「…シロガネ」
 名を呼ばれ、その顔を見上げて柔らかく微笑めば。オボロは少々顔を赤くして、小さく咳ばらいをし。
「お主に、渡したいものがあるのだ」
 そう言って、懐から出したのは小さな袋に入れられた何か。
 小袋は簡素ではあるが可愛らしくラッピングされており。
「その…お主が手拭いを冷やしに行っているときに、目の前の露店の女将に言われてな…」
 デートならば、プレゼントの一つくらいしなくてどうする、と。
「それは店の物を買わせる口実であろうが、その時にこれが目についてな…」
 と、渡されたそれとオボロの顔を交互に見て。
「開けても、イイですか?」
 どこか期待を含んでいるような、キラキラとした瞳で見つめられ。
「たいしたものではないぞ」
 照れを隠すようにそういうオボロの様子にシロガネは微笑み、袋を開けて。
「髪飾り?」
 そこに入っていたのは赤い桜の髪飾り。
「その…お主の銀糸の髪に、似合うと思ってな…」
 赤い顔で、視線を泳がせながらオボロが言うと。シロガネはそれを取り出して。
「…どうでしょう、似合いますか?」
 髪につけて微笑むと、オボロの手が優しくシロガネの頬を撫でる。
「…ああ、よく似合っている…。私の故郷では、白と紅はとても縁起の良い色の組み合わせなのだ」
「……?オボロ様?」
 そう言ってから、少々複雑な表情を浮かべているオボロにシロガネが首をかしげると。
「ああ、いや…。その色はお主によく似合っていると思うのだが…同時に奴を思い出してしまってな」
 複雑な表情を浮かべているオボロが思い浮かべている人物が誰だか、すぐに理解してシロガネは苦笑する。
 確かにあの男のイメージカラーでもあるが、それでもオボロ自身が自分に似合うと購入してくれたものだ。
「ありがとうございます、オボロ様」
 頬に添えられている手に、己の手を重ね微笑む。
 嬉しくないわけがない。
 その微笑みに、オボロも柔らかく笑み。
「ああ…やはりお主は赤が似合う」
 そのまま、二人の唇が軽く触れた。

END


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途中まで書いててなんか手が止まってたんだけど、Ifのメリバなお話が浮かんで、それを書くんだったらこれ書きあげちゃった方が良いな〜って←
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