みなさんこんばんは。
引き続き、伊藤潤二ワールドのランキングぅをお届けします。
今回は第８位から第５位までの発表です。
ではさっそくまいりましょう、ホラーなネタバレにご注意を。
第８位： 『中古レコード』
タイトルも歌手名もわからない、ただ女性の声で「ラララ・・・ルルル・・・」と口ずさんでいるだけのレコードに魅せられた女子のお話。
友人が所有していたそのレコードを盗んだあげく、追いかけてきた友人を石で殴って殺してしまいますが、友人が「ラララ・・・」と歌い出したため、死んだふりをしているものと思って立ち去ります。
その後たどり着いたジャズ喫茶で、そこにいた男から、このレコードはある女性が事故死した直後に歌い始めたものを録音したという、いわくつきで幻のレコードだということを聞かされます。
このレコードは元々友人がレコード店から盗んだものであったことから、ヒロインはレコード店の主人とジャズ喫茶の男から追い回されたあげくに死んでしまいますが、その直後、「ラララ・・・」と歌い始めるのでした。
恐怖度はかなり低いですが、幻想的で好きな作品。
第７位： 『長い夢』
脳神経外科に入院した女性。
死の恐怖におびえる彼女は、ある夜、死神を見たと担当医に訴えますが、それは死神ではなく、別病棟に入院中の男性患者でした。
彼の病状は、「長い夢を見る」というもので、一晩の夢が２、３日の長さに感じられたのが始まりでしたが、日を追うごとにだんだん長くなり、やがて１年、１０年、数千年、と長くなるにつれ風貌まで変化してしまったのです。
そしてついに永遠の夢を見た彼は・・・。
常日頃、「毎日カワイ子ちゃんと戯れる夢を見たい」と思っているわたしですが、理想のカワイ子ちゃんと数ヵ月に渡り嬉し恥ずかしのハッピーな日々を過ごしたはずが、実は夢であり現実には一晩しか経過していなかった、となると、これはもう愕然とするというレベルではないと思われます。
そのような夢を毎日のように見るとなると・・・。
実に恐ろしいお話です。
第６位： 『浮遊物』
自分の心の声が、毛玉のような浮遊物となって口から発生し飛び回るお話。
例えば、わたしの場合だと、「ウンコガモレソウダ、マジデヤバイ」とか、「タマニハカワイコチャントアンナコトヤコンナコトヲシテミタイナァ」などという具合に、一つの心の声につき浮遊物が一つ発生してしまいます。
浮遊物は全国に広がり、気に病んで自殺する人や、個人の秘密欲しさに収集する者、殺人を犯す者まで出てきて大パニックになりますが、やがて事態は収束し、ラストはちょっと切なくてホロっとさせられます。
心の声はプッと吹き出してしまうものも多く、ギャグ要素は高め。
しかし、こんなことが現実に起こってしまうと、仕事はクビになり、妻子に見捨てられ、警察に目を付けられ、世の女性のほとんどを敵に回し、わたしの人生はそりゃぁもう悲惨ことになりそうですわい。
第５位： 『ご先祖様』
「代々のご先祖様がずっと生き続けている」と聞くと、皆さんはどんな状況を思い浮かべますか？
幽霊になって？
それともデジタルデータに意識を移して？
そこはさすがの伊藤先生、想像を絶する手段で描かれました！
彼氏の家でそれを見せられたヒロインは記憶喪失になりますが、何が何でも彼女と結婚したい、というか子孫を残す必要がある彼氏は、彼女が記憶喪失であることをいいことに、事実を隠して彼女を家に連れて行きます。
再度それを見せられたヒロインはすべて思い出しますが、あまりのおぞましさに逃げようとした直後、「父さんが死んだ・・・」と言い残して部屋に籠った彼氏の様子を見た彼女は、ご先祖様の意思を受け継いだ彼氏から追いかけられ、再び気を失います。
物語はここで終了しますが、その後の展開は想像したくありませんな。
抜け毛の多さが尋常でない今日この頃ですが、この作品がトラウマになり、絶対ヅラを被る気にはならないズラ。
以上、８位から５位でした。
次回は４位から１位をご紹介します。
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