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2020年02月20日19:33

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「影裏」@ヒューマントラストシネマ渋谷

映画監督デビュー作の2009年「ハゲタカ」映画以来、全作品観ている大友啓史監督の最新作ぴかぴか(新しい)今年は「るろうに剣心」シリーズ最終章の公開も控えている。本作は綾野剛×松田龍平の共演ということで、観るに決まってるじゃんダッシュ(走り出す様)と張り切って、公開初日の夜の回へ。

************** 重要部分ネタバレなし **************

岩手県の盛岡に転勤してきた30歳の独身男・今野秋一(綾野剛)。慣れない土地で心細さを感じていた彼は、同い年の同僚・日浅典博(松田龍平)と言葉を交わすようになる。やがて一緒に渓流釣りに行くなど交流を重ね、いつしかすっかり心許すまでの存在に。ところが日浅は何も言わぬままいきなり会社を辞め、姿を消してしまう。日浅と音信不通となり、大きな喪失感を抱えて日々を過ごす今野だったが…。

原作の第157回芥川賞を受賞した沼田真佑さんの同名小説本は未読。読書も好きで賞を獲ったり、話題になったものはなるべく読みたいんだけど、なかなか追い付くのが難しい。なので、あらすじだけの事前情報だったことが功を奏したのか、思いがけない2人の関係性とストーリー展開にがっつり惹き込まれたハート影裏=えいりと読むことすら初めて知ったあっかんべー

綾野さん演じる今野の役がまあ切ない。私が数々観てきた彼の役の中でも一番色っぽく艶めかしいと言っていいでしょうexclamation序盤にやたら着替えや下着姿のシーンがあるなと思ったら、ちゃんと意味があったのね。カルバンクライン(恐らく)のボクサーブリーフで寝起きのまま植木に水をあげたり、ボーッとしている姿がいちいちセクシー。細やかな動きや表情で観客を掴み、きちんと心情を伝える確かな演技力を存分にみせてくれた指でOK

対する松田くん。日浅という人懐こさとどこか捉えどころのない不気味さを併せ持ったキャラクターを淡々と演じていて、リアリティは抜群ぴかぴか(新しい)日浅が今野に言う「人を見るときは、その裏っかわの影の一番濃いところを見るんだよ」というセリフが物語が進むにつれ、じわじわと沁みてきた。

今野の前からいきなり姿を消した日浅。数ヶ月経ってひょっこり現れて交流が再開するが、震災後にまた音信不通。今野は心配で日浅の父や兄を訪ね、捜索願を出そうと提案するが、きっぱり断られてしまう。今まで自分が接してきた日浅とは全く違う別の顔が見えてきて…。とこれ以上は書かないでおく。

出演は、綾野剛 松田龍平 國村隼 筒井真理子 中村倫也 永島暎子 安田顕 平埜生成といった方々。中村くんの役がちょっと話題になってたな。 國村さん、筒井さん、安田さんといった実力派がさすがの演技でしっかりこの物語を支えている。

これはぜひとも原作も読んでみたいexclamationと思わせる奥深い作品だった。帰り際に「あれこれ盛り込みすぎ」みたいなことが聞こえてきた。2011年の大震災も絡むお話なので、そこを指摘したのかもしれないが、私は色々考えさせられるよく練られた物語という印象だった。
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