岩井俊二監督最新作
実写は2016年「リップヴァンウィンクルの花嫁」以来じゃないかしら。今作はやたら豪華な出演陣だし、注目の森七菜ちゃんも出ているので、楽しみで
************** 重要部分ネタバレなし **************
裕里(松たか子)の姉の未咲が亡くなった。裕里は葬儀の場で、未咲の面影を残す娘の鮎美(広瀬すず)から、未咲宛ての同窓会の案内と、未咲が鮎美に残した手紙の存在を告げられる。未咲の死を知らせるために行った同窓会で、学校のヒロインだった姉と勘違いされてしまう裕里。そしてその場で、初恋の相手・鏡史郎(福山雅治)と再会することに。 勘違いから始まった裕里と鏡史郎の不思議な文通。裕里は未咲のふりをして、手紙を書き続ける。その内のひとつの手紙が鮎美に届いてしまったことで、鮎美は鏡史郎(回想・神木隆之介)と未咲(回想・広瀬すず)、そして裕里(回想・森七菜)の学生時代の淡い初恋の思い出を辿りだす。 ひょんなことから彼らを繋いだ手紙は、未咲の死の真相、そして過去と現在、心に蓋をしてきたそれぞれの初恋の想いを、時を超えて動かしていく―――
1994年公開の「undo」から「Love Letter」、「スワロウテイル」、「リリイ・シュシュのすべて」、「花とアリス」、「リップヴァンウィンクルの花嫁」など、数々の印象深い作品を世に送り出している岩井監督。本作でもその高い作家性と美しい映像は健在。ロマンチックで少々御伽噺的で残酷な話が多い印象だが、そうした物語の中で少女を描かせたら右に出る者はいないかも
監督は基本自ら脚本
も手掛けているので、まあまあ寡作。なので久々に観る度に、"ああ、岩井監督の作品らしいなぁ"ってしみじみ思わされる。そういう風に監督ごとの色を感じられるのって、ありそうで実は結構貴重な気がする。
SNS全盛の今、手紙をモチーフにするという何とも言えない風情ががっつり中年の身に懐かしさや心地よさを与えてくれた
手紙が届くまでのドキドキ、その間に高校時代の回想シーンが差し込まれ、過去と現在を行ったり来たり。読めない展開にすっかり入り込んで観ていた。
出演は、松たか子 広瀬すず 庵野秀明 森七菜 小室等 水越けいこ 木内みどり 鈴木慶一 豊川悦司 中山美穂 神木隆之介 福山雅治といった錚々たる面々。主役級がゴロゴロ
松さんの安定感よ
40オーバーで初恋相手と大人になって初めて握手をして、キャーってなるとことか唸るほど自然で上手い
すず&七菜の飾らないキラキラ感も凄まじく、夏休みのだらっとした雰囲気がノスタルジックを誘った。「Love Letter」の中山&豊川が全く違うキャラクターで出てくるのもワクワク
豊川さんが福山さんを抉るとあるシーンが抜群だった
いろんな年代の人がどのキャラクターに感情移入して、どこに引っ掛かるかわからない作品。ちょっと強引な展開もあったかなと思うけど、なかなか面白く観ることができた
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