｢惡の華｣＠TOHOシネマズ新宿

8月と9月で分割して夏休みをもらったとある金曜日。渋谷でやっていなかったので、オンライン前売券を買っておいて、新宿の午後一の回へ映画はしごの日1本目

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊　重要部分ネタバレなし　＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

周りを山に囲まれ閉塞感漂う地方都市に暮らす中学2年の春日高男(伊藤健太郎)。ボードレールの詩集『惡の華』を愛読し、誰とも理解し合えない孤独な毎日を送っていた。そんなある日、ふとした出来心から、憧れのクラスのマドンナ･佐伯奈々子(秋田汐梨)の体操着を盗んでしまう。しかしその現場をクラスの問題児･仲村佐和(玉城ティナ)に見られてしまう。そして秘密にする代わりに、彼女の命令に従うよう強要され、その変態的な要求に次第に精神的に追い詰められていく春日だったが…。

原作は押見修造さんの同名コミックスだそう。例のごとく、全く原作を知らなかったが、センセーショナルな内容で大ヒットしたんだそう。なるほど、これはきっと原作も素晴らしいに違いないという"青春変態成長もの"(なんだそりゃだけど。笑)になっていて、めっちゃ面白かった

あらすじからは、おバカな中2男子が好きな子の体操着を持ち帰ってしまったところをクラスのドS女子に見られ、平穏で退屈な日々が脅かされていくといったもう少しコメディ寄りを想像していた。だけど、これが予想外の展開で、ぐんぐん惹き込まれていった。

田舎の閉塞感、中高校生特有の鬱屈や反抗心、それをうまく抑えられない有り余るエネルギー、性癖の目覚め、自分は他の人とは違うという自意識、特別な何者かになりたいという願望。そんなあれやこれや複雑な心情が、ひしひしと伝わってきた

出演は、伊藤健太郎　玉城ティナ　秋田汐梨　飯豊まりえ　北川美穂　佐久本宝　田中偉登　松本若菜　黒沢あすか　高橋和也　佐々木すみ江　坂井真紀　鶴見辰吾といった方々。とにかく、ティナちゃんがすごいハマり役。主演はもしかして初かな新人賞まだだったらぜひ獲らせてあげたい佐伯役の汐梨ちゃんもクラスのマドンナ的ヒロインが違う一面を見せる様を上手く演じていたと思う。今後要チェックだわ

自分は中高生の頃、どんなこと考えてただろう。春日や仲村よりももっと単純でのほほ〜んとしていたかもなんて、思わず振り返ったりして。登場人物と同世代の人の感想が聞いてみたいところ