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2019年12月06日13:00

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2冊の面白い本

2冊の面白い本に出会った。
「たけちゃん、金返せ。- 浅草松竹演芸場の青春 -」(藤山新太郎著、論創社)と、「”蒙古の怪人” キラー・カーン自伝」(キラー・カーン著、辰巳出版)。
どちらもそれぞれのジャンルでトップを極めた実演家の本。
凝った言い回しもなく、読みやすく、当時の生の声がリアルに感じられて、読んでいて感動すら覚えた素晴らしい内容。
人間性って大切だな。
人にはもって生まれた役割ってあるんだな。
両著者とも分析力が素晴らしく、物事を俯瞰的に見る目、演芸やプロレスをやっていても、見ているお客さんがどういう風に感じているか、何を面白く思っているのか、自分のことに置き換えて読み進めてしまう。
藤山先生の本は、装画・挿絵がカズ・カタヤマとなっている。そうか、カズさん、京都の美大出身だもんね。
藤山先生の本では、ぼく自身が浅草を中心に活動しているので、知っている師匠や事柄も数多く出てきて、ほんとうに勉強になる。
キラー・カーンさんのプロレスで思い出すのは、強面のように狂気を見せるけど、ぼく、この方、本当はとても強いんじゃないのかな、相手を立てる展開に、きっとすごくいい人なんだろうな、と思っていた。
もう今から、三十年も前に吉本新喜劇にぼくが在籍していたとき、梅田となんば花月では、新喜劇の前には売れっ子漫才さんや落語家が香盤を組まれているのだけど、仕事のブッキングの関係で、出番時間になっても花月に入ってこないことがある。
そんなときは支配人から、「誰か、幕前で繋いでくれないか?」と探しにくるので、当時、新喜劇でくすぶっていたぼくは「ぼく、出たいんですけど」と言って、出番の看板が来るまで幕前でネタをやる。その時によくやったのが、ぼくが作ったキラー・カンの歌。
「キラー・カン、キラー・カン、戦うモンゴリアン、キラー・カン、小沢正志は売れないレスラー〜、図体でかいが…」と、歌うのだ。
けっこう耳なじみにいいメロディー、歌詞で、途中から手拍子が起こったりしてた。
あるとき、「好田はんの作った、キラーカンの歌、ラジオで誰かがパクッて歌ってたで」と言われる始末。懐かしい思い出。
最近、ベートーベン鈴木さんから、「タクト、キラーカンの歌、作ったでしょ。それ、本人がその歌を知っているよ。今度、カーンさんの店に行こう」と言われているので、秘かに楽しみにしている。
本を読みだすと、時間がいくらあっても足りないね。

昨日見た新国立劇場の「椿姫」、やはりヴィオレッタ役のパパタナシュは素晴らしかった。
今日から浅草演芸ホール午後5時45分の出番です。



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