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2019年12月14日08:15

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気儘徒然句鑑賞四十四

月に手をゆらりと置けば母が来る(筒井祥文)

 筒井祥文川柳句集「座る祥文・立つ祥文」より。彼には珍しい母物。思えば、家族については語らない人であった。であるから、生涯に母物一句鵙の贄、というような駄句までつい出てしまう。
 月は何の比喩であろうか。色々と想像出来るが、中七との絡みから家を離れての出来事と考えられ、ゆったりとした口調にはちょっとした達成感がほの見える。家を離れて、ようやく家と出会える不思議がそこにある。

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