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2019年06月19日23:51

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死者の饗宴/ジョン・メトカーフ

ドーキー・アーカイヴその6。
怪奇小説としては道具立てはそれこそ、異教の宝石や幽霊、分身などオーソドックスなものだが、怪異の顕現よりも、それに襲われる側の困惑と慄き、不吉な予感の描写にすぐれ、恐ろしい、というより悍ましい感触を残す。息子に取りついた幽霊(?)が、姿を消した後にこそ本当の恐怖が訪れる表題作などはその真骨頂であろう。息子と霊との交流において、具体的になにがあったのかが、奇妙な形でボカされる一方、その後の親子間に激烈な反発のみが描かれるために、悪夢的な妄想が嫌でも読者の胸中に広がっていく。
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