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2020年03月24日06:48

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伝説の拳、逝く

初代K-1王者、ユーゴスラビアの幻の強豪ブラニミア(ブランコ)・シカティクが亡くなった。

80年代後期、大学で柴田信一兄と出会いキックボクシングに夢中になり始めた頃から、その名は聞いていた。国際式ボクシングオリンピックの銀メダリスト、欧州の帝王ロブ・カーマンを一蹴した実力者。しかし、国情もあってか来日は噂すらない。
ところが1993年、正道会館が華々しく立ち上げた第1回K-1グランプリに突如ノミネート。往時の我々の会話は、
「ついに来るなあシカティク!楽しみだ!」
「しかしもう38歳だぜ、遅すぎたよ。」
「そうか、伝説も噛ませ犬か。なんか哀しいね。」

ところが、我々を嘲笑うかのようにシカティクの快進撃が始まる。1回戦でムエタイの巨像チャンプア・ゲッソンリット、2回戦では日本のホープ佐竹雅昭、そして決勝戦では伏兵アーネスト・ホーストを豪快にKOして見事な優勝。
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間違いなく日本格闘技史のクライマックスであり、この大会を機に「何が起こるかわからない」K-1は格闘技ブームを巻き起こす。

当日、2階席の一番後ろで見ていた私は試合終了と同時に階段を駆け降りリングサイドへ行き、歓喜のシカティクからサインをいただいた。忘れられない青春の思い出だ。
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その後、シカティクは総合格闘技にも積極的に進出、俳優、軍人の顔も持つ異色過ぎるファイターとして君臨する。
総合格闘技PRIDEの第2回大会ではマーク・ケアーと対戦し、慣れないルールの中で脊髄にヒジを落として反則を取られたシーンにはゾッとした。

東欧動乱の時代に拳一つで世界のリングを渡り歩き、日本にK-1のブームを巻き起こしたブラニミア・シカティク。サインありがとう、いつまでも大切にします。
r. i.p
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