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2020年01月21日06:39

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英連邦は崩壊するか?

1月末からEU離脱のプログラムが動き出す英国です。しかしそれに反対するスコットランドが「独立」を掲げて息巻いています。
「EU残留」というのが大義のようですが、その背景には1万年のスコットランドの歴史があるからかも知れません。

いまから1万年前と言えば、我が国でも縄文時代に当たります。デヴォンシャー氷期の終わりごろにスコットランド地域に集まて来た人類が文化を形成し出したことは、多くの遺跡から見て取れるわけです。

そこでスコットランドはヨーロッパ最古の歴史をもつ王国とされていますが、残念ながら文字史料が皆無なために、その概要すらわからないようです。
我が国の縄文時代も、縄文土器が出土して時代計測を行ってやく1万年ほど前から日本列島(北海道から沖縄まで)に住み着いていたことが判っています。文字もあったようですが、それがいつごろから使われてきたのかは判りません。「神代文字」と言われて、漢字伝来以前に古代日本で使用されたとなっています。

スコットランドに文字が登場したのはローマ帝国のブリテン島侵攻の時期からです。ローマはイングランド・ウェールズにあたる地域は属州として支配しましたが、カレドニアとよばれた北方地域は放置されました。この地域にはピクト人という勢力があったからでしょう。

しかし、石器時代・青銅器時代および鉄器時代と続いて存在したことは、現存する古代の道具類からはっきりしているそうです。

1707年以降、ブリテン連合王国の一部に組み込まれ「ユナイテッド・キングダム」の一員として存在を続けてきました。
しかし古い文化を持つスコットランドにはその頃から「独立志向」が強かったと言います。

英国人(イングランド)にウイスキーを褒めると、「それはスコットランドのウイスキーだ」と冷たい返事が帰ってきます。心の中は分裂しているんですね、今でも。

その鬱憤が表出してきたのか、それとも経済的理由をもあるのかは判りませんが、スコットランドのユナイテッド・キングダムからの独立が叫ばれ始めています。

しかしこの独立するかどうかの国民投票は、2014年9月に一度実施されており、その結果は独立支持が44.7%で、独立反対が55.3%だったのです。つまり独立派は少数で独立は否決されたわけです。

「今度はEU離脱が本格化したから勝てる」などという独立派が実施しようとしている国民投票ですが、ジョンソン首相は「2回目の国民投票なんて無い」と冷たく突き放しています。
まあ当然でしょうね。「独立派が多数を取るまで何回でも国民投票を続ける」なんてことはあってはいけないことです。

昨年12月に行われた英下院総選挙では、準孫首相が率いる保守党が勝利を収めました。その結果今月末でEU離脱が始まることになったわけですが、この時、地域政党「スコットランド民族党(SNP)」も議席を伸ばしています。

この政党は「住民投票の再実施」を公約に掲げた党でした。ですから「再度独立の国民投票をしろ」という雰囲気は出来ています。

イングランドに併合されて以降、大英帝国の発展で経済成長の恩恵を受けてきたスコットランドなのです。
大航海時代末期から産業革命を経て、パックスブリタニカの時代は英連邦の一員として経済的利益を確保してきたスコットランドです。

しかし、第二次世界大戦以降、世界覇権はアメリカに取られ、機械工業の時代から電子化の時代を迎えて、アメリカの勢いに呑まれてきた英連邦。

落ち目になったからと言って、英連邦を離脱し、EU残留を決めても良いことなど何もない様に思うのですけど・・・

独立派は、近年発展してきた金融業への自信と、スコットランド沖合の北海油田の開発が進んだことで熱気が上がっているようです。
しかし金融業は実業と言えるのでしょうか。そして北海油田は相場商売です。石油価格などは常に国際政治の世界で揺れ動き、ロシアを豊かにしたり貧乏にしたりしています。
独立の目的がこのような経済的側面だけだったら、止めた方がいいと思いますね。

ジョンソン首相は、1月14日に「住民投票の再実施を承認する権限をスコットランド議会に与えない」と明言しました。

現在、独立派と反独立派は拮抗している調査結果が出ています。独立賛成が51%、反対が49%だそうです。

そしてまもなくEU離脱のスケジュールが動き始めます。
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