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2020年01月29日21:25

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「カメの甲羅はあばら骨」読了

「カメの甲羅はあばら骨 人体で表す動物図鑑」川崎悟司・著 SBビジュアル新書
https://www.sbcr.jp/product/4815604127/

爬虫類、両棲類、哺乳類、鳥類といった脊椎動物の骨格やからだの構造を、人間の骨格輩だの構造をどう変化させれば実現できるのかということをイラストで示した本。どういった進化を経てそうなったかや、その構造が生きる上でどう役立つかなども解説しています。

非常にわかりやすくおもしろい。欠点は、イラストの見た目が気色悪いことぐらいですw
なんか「進撃の巨人」にこんなのが出てきてたよな、という感じ。

著者は、動物の骨格の特異性についてのイラストブックも書いてる人で、それを人間をモデルにしてやってみたらネットでウケたので出版、という流れのようです。

これは子供も参加する自然観察会なんかで活用できそう。「悪趣味」というそしりを受けそうだけど(苦笑)。

気になったのが鳥の翼の解説です。翼に付いている風切羽は、羽軸というストロー状の軸に対して羽弁と呼ばれる平らな部分が進行方向に狭く、後方に広くなっています。これが狭い方が上、広い方が下になって並んでいるので、翼を打ち下ろすときには広い方が閉じて空気を逃がさず、持ち上げるときには広い方が開いて空気を逃がす、という構造になっています。

「ウルトラQ」の「鳥を見た」で円谷英二が間違いを指摘したのがこの羽の並びで、古代鳥ラルゲユウスは広い方が上になっていたのだそうです。これでは飛べません。

閑話休題。その構造についてこの本では「要は、鳥の羽は閉じたり開いたりするブラインドのようなものなのです。これで鳥は一方向へ空気を掻くことができるのです」と書いてあるのですが、ここが惜しい。羽の並びをブラインドに例えるのならわかりやすいのですが、開閉して空気を一方向に流すこの構造はぜひとも「バルブ(弁)」と呼んでほしかった。なにしろ名前からして羽の平らな部分は「羽弁」なのです。

それ以外は実におもしろい本でした。
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