人生の一頁に口づけが挟まっている
栞のように
もう読み終えた筈なのに
抜くことのできない
栞
あの人との口づけ
手探る
まだ前半部分
物語がうねりだす地点
だけど私にとって
そこが最終頁なのかも
栞
あの人との口づけ
何度も同じ頁をめくり
そこから再開したいと
願う
もう一度読み返せば
物語が変わるのではないかと
でもその先に
あの人は登場しない
栞
口づけ
輪郭のない花のよう
大丈夫
ちゃんと今を生きてます
栞があるから
いつまでもそこにあるから
私は物語りを見失わずに
進めることができる
あなたとの思い出があるから
この物語は温かい
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