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2019年10月19日06:49

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薔薇薔薇殺人

微笑みは花弁
指先は棘

癒されながら
傷付けられる
悦び
(「喜び」でなく「悦び」で合っているはずだこの場合は)

「うっ」

漏れた呻きとともに
躯が昇天し
心は堕落した

貴女は笑う
薔薇のように
貴女は触れる
薔薇のように

僕の耳元で囁く
「私達きっと神様にも悪魔にも愛されていないわ」

僕は絶望する
そして想像する

引き裂かれた僕の心と躯
貴女が鼻歌混じりに梱包し
それぞれを天国と地獄に郵送する
しかし門前で突き返され
返送されてきた小包
スタンプされた文字
「料金不足」
貴女は笑いながら僕をゴミ箱に落とす
木曜日の朝にはゴミ収集車がきて
裁断機でうぃーんと僕を小間切れにする
という回想シーン

シーツの皺で作った僕の遺書
血を含んだ貴女の爪が
「天国」を「天獄」と書き直す

さぁ
もう一度僕を殺せ
薔薇薔薇にされる悦びで
僕の人生を塗りつぶしてくれ

ところで僕はどうしても
バラの花の匂いが思い出せない
子供の頃嗅いだ筈なのに
子供の頃嗅いだ筈なのに
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