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2019年10月22日02:49

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大学危機 希望を探る がんばる地方の国立大学

基礎研究が産業生み出す
 政府は国立大学への予算を減らし、企業など民間からの研究費獲得を求めています。資金力のある企業が少ない地方にある国立大学では、研究費が削減され、「すぐに成果がでない基礎研究はできなくなる」と悲痛な声が…。大学での基礎研究の成果が新たな地場産業を生み出した事例がたくさんあります。香川大学の「希少糖」研究もそのひとつです。
 「希少糖」とは自然界にほとんど存在しない「単糖およびその誘導体」のこと。単糖はこれ以上分解すると糖の性質を失うという基本単位です。希少糖にはガムに使われている「キシリトール」など50種類以上があります。

長い不遇の時代
 香川大学での希少糖研究の中心は何森健(いずもりけん)教授(現在は名誉教授)です。微生物を利用して人工的に希少糖を作ることに成功し、産業化できるほどの大量生産に道を開きました。しかし不遇の時期は長く続きました。

 1984年、意図して初めて生産した希少糖について米国の学会誌に論文を寄稿しても、「生産目的が明確でない」と最初は掲載を拒否されました。国の科研費を申請しても同じ理由で不採択でした。教授への昇進審査も難航しました。

 91年、何森さんは香川大学農学部の敷地から酵素生産微生物を発見。1グラム4万円もした希少糖の一種「D-プシコース」を100グラム単位で生産することに成功し、素材が確保されたことで研究が進展しました。

 食後血糖の上昇抑制や体脂肪の蓄積抑制などの機能が発見されたことにともない、県や国からの助成金を得て研究が進展、06年には企業による30億円の設備投資で工場が県内に完成しました。カロリーゼロの希少糖D-プシコースを含んだ甘味シロップが製造されるようになりました。

 06年には香川大学発のベンチャー企業「希少糖生産技術研究所」ができ、香川大学農学部がある三木町の廃校を利用して、希少糖の用途拡大に向けた研究を行っています。

 ズイナは植物の中で唯一希少糖のD-プシコースを生みだします。香川大学は種子発芽が困難であったズイナを組織培養によって大量生産する技術を開発しました。同研究所の研究員の浜田清美さんは「希少糖には植物の成長抑制作用や抗糖尿病作用もあるので、除草剤や医薬品への可能性がある」と語ります。

過疎地域に貢献
 ここでズイナを培養しているスタッフは地元の高齢者12人です。横山良秀さん(71)は「未知なものを探る研究の手助けをしていることに誇りを感じる」と胸を張り、多田清美さん(82)は「手先を動かし仲間とおしゃべりもできるので楽しい」と笑います。希少糖は過疎・高齢化地域の事業にも活用できる可能性を持っています。

 地域貢献は製造業の発展や過疎対策だけではありません。三木町の伊藤良春町長は、「香川大学は子どもたちの国際教育、異文化理解に大いに役立っています。例えば留学生に外国人から見た町を広報誌に書いてもらっていますし、学童保育に来てくれる留学生もいます。地方創生をいうなら国は国立大学を大切にしてほしい」と話します。

 文科省科学技術・学術政策研究所の調査研究(15年2月)では、「希少糖の実用化は地方国立大学で地域の特性を活かした長年に渡る研究開発の成果」と評価しています。

 「であるならば、地方の国立大学で基礎研究ができるだけの予算を配分してほしい」と強調するのは香川大学元学長の近藤浩二さん(物理学、レーザー分光)です。学長時代(97〜03年)、希少糖研究、実用化に向け文科省と交渉するなど予算獲得に奔走しました。近藤さんは訴えます。

 「新しい商品、実用化は基礎研究なしには不可能。地方の国立大学の教員一人当たりの研究費はいまは年間40〜50万円です。以前は200万円ほどありました。政府は予算の重点配分で国際競争力を養うといっていますが、すそ野が広くなければ高い山はできません。地方大学の研究が衰退すれば日本の研究力も低下します。重点配分ではなく多くの研究者に広くいきわたるようにするべきです」
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